大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

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「バンド、やりたいんですけど・・・」

   

「バンドやりたいんですけど・・・」
学生から、そんな相談を、よく受けました。

え?やりぁーいーじゃん。

と、答えたのでは先生失格です。

そんなことができるくらいなら、
わざわざレッスン時間に質問してきません。
なんなら、真面目に音楽学校にすら通わないかもしれません。

それで、「どんなバンドをやりたいの?」と、
ヒアリングを開始してみると。。。

オリジナルやりたい。
できればうまい子とやりたい。
曲を書いてくれる子がいい。
ライブハウスとか出てみたい。
いろいろ経験してる子がいい。
レコーディングもやってみたい・・・etc.

実に、いろんなことばが出てきます。

そうか。

さすが現代っ子は、先の先まで、
いろんなことを考えています。

しかし、そんな風にあれこれ考えてばかりじゃ、
一生バンドなんかはじめらんないよなーと。

なんで、たいがい、私のアドバイスはこんな感じです。

「とりあえず、頭数だけでも、そろえたら?」

「それか、ライブ、先に決めちゃったら?」

「誰でもいいから、誘って、スタジオ入って、
とりあえず歌ってみるっていうのもありだよ。」

言われた学生は、
なんて雑なアドバイスする先生・・・と思うかもしれません。

でも、バンドなんて、
そんな感じで、
とりあえずやってみなくちゃわかんないことばっかりです。

とあるプレイヤーに惚れ込んで、
バンド誘って、
メンバーそろえて、
あぁ、いい感じ、って思ったら、
いきなりそのプレイヤーが、
「俺、別のバンドに誘われたから」とやめてしまう。

代わりに誘った女の子が、
やたら色っぽくって、
全部その子にバンドメンバーの注目持って行かれちゃう。
挙げ句の果てに、その子と犬猿の仲になって、
今度は自分がバンドをやめてしまう。

憧れの先輩バンドに誘われて、喜んでいたら、
就職活動があるからと、
全員一斉に音楽から足を洗ってしまう。

やっぱりプロ志向の人かな、と、
ツテをたどってバンドに入れてもらえば、
だっさいオリジナルソングばかりをやっていて、
今どき曲も歌詞も書けないの?・・・とバカにされる。

ついに素敵なメンバーと巡り会った!と、
ワクワク、ライブの準備にいそしんでいたら、
メンバーに次々サポートの仕事が入って、
ライブの日程もリハの日程も全く組めなくなる。

この他にも、
メンバーに告白されて気まずくなったり、

逆に自分が好きになったメンバーが、
逃げるようにバンドをやめちゃったり、

めちゃくちゃいいプレイヤーだと思っていたら、
酒癖、オンナ癖が酷かったり、

バンマスのパワハラ、モラハラがやばかったり・・・

もうね。

人間同士が集まってやることですから、
いわゆる音楽性がどうのこうのという以前に、
それはもう、ありとあらゆることが起こります。

どれひとつとして、想定内のことなんかなくって、

たまたま、ジョンとポールが出会ったバンドがすごかったから、
彼らみたいにバンドを組むのが「正攻法」みたいになるだけで、

結局、成功法則っていうのは、
たまたま、うまくいった人たちの経たプロセスや試した方法に、
後付けで理由をくつけるようなものなんですよね。

 

だからさ。

走りながら考える。

自分のやってみたことが、
後々誰かの「成功法則」の一部になるかもしれない。

私がこうやって書き綴っているように、
「イケてない例」になって、
誰かを勇気づけるかもしれない。

少なくとも、経験は、
自分自身を限りなく強く、逞しく、
でもって、大きくしてくれるものだから。

とりあえず、やってみましょ。

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