大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

働こう!ガールズ!

   

何十年かぶりに、ハリソン・フォード、シガニー・ウィーバー、メラニー・グリフィスという懐かしい顔ぶれの映画『ワーキングガール』を見ました。

1988年のニューヨーク。
学歴やキャリアがないために、その能力を認められない主人公が、
不屈の根性で道を切り開いて、夢への階段を上りはじめるまでのストーリーです。

この映画を最初に見たのは、駆け出しで、音大出の先輩たちに日々、ボロカス叱られていた頃。
バンドも恋も順調とはほど遠い自分自身を、冴えない主人公に重ねながら、夢中で映画を見た時の感覚が蘇って、なんだか泣けました。

そうそう。
あの頃はまだ、パスポートすら持ったことがなくて、
マンハッタンの光景を、遠いおとぎの国のように見ていたっけ。

あれからむにゃ10年。

「ワーキングガール」の主人公は、キャリアの階段を上り詰め、
サクセスフルな男性のハートを射止め、ペントハウスから下界を見下ろしながら、悠々自適な生活を送っているのか?

いやいやいやいや。
ストーリーの続きは、絶対そんなんじゃない。

「ワーキングガール」たちは、成功したって、やっぱり働いているに違いない。

結婚したり、出産したり、病気になったり、家族の問題があったり…
たとえ、途中でキャリアの中断はあったとしても、
ワーキングガールたちは、やっぱり仕事する。

それは、お金が必要だからでも、成功したいからでも、贅沢したいからでもなくて、
(いや、もちろん、そんな側面はあるとしても、です。)
やっぱりね。
働くことが、自分という人間が生きている証だからです。

先日、友人と、
「もう働かなくても悠々自適って身分になって、なんでもしていいよって言われたらなにする?」
と話していて、
「あたしは、ロンドンと東京2拠点で、本書きたい。
あと、インストラクターたちのメンターしたり、メソッド書いたりしたい。」
って言ったら、
「今と変わらないじゃん」と苦笑されました。

確かに。
今、自分のしていることは、全部あたし自身だから、
ビジネス的に成功しようが、しまいが、
やっていること自体には、何にも疑問はなくて。

仕事ができる自分でいられることが、
なにより幸せなのだよなと。

働こう、ガールズ!
なんか、今日は、そう叫びたい。

好きなことを仕事にしよう。
今はまだそれが難しいなら、
せめて、好きになれる仕事をしよう。

「仕事=好きなこと」という感性を絶対麻痺させないで、
それが可能だという発想を忘れないで。
自分自身の無価値感に負けないで。
働こう、ガールズ!

私もまだまだがんばるぜ。

 

■ヴォイストレーナーになりたい!夢の実現をお手伝いします。第2期MTLトレーナーズメソッド、7月開講。

 - 夢を叶える, 本, 映画, アート...etc.

  関連記事

恋するように、バンドする。

棚卸し週間にて、 これまでにやってきたバンドを ひとつひとつ思い出してみました。 …

歌のブートキャンプ、スタートします!/短期集中で歌はどこまでうまくなるか?

“歌を志す人のための新しい講座「MTL vocal BootCamp …

やりたいか。やりたくないか。

高校時代、毎日何時間も練習してたギターがなかなかうまくならなくて、 手が小さいか …

伸び悩んだらやるべき3つのこと

長い音楽人生。 「伸び悩む時期」は何度も訪れます。 技術の伸び悩み。 キャリアの …

どんなに優れたアイディアも、 形にならなければ存在しないも同然

昔読んだ本に、「完璧主義のぐず」ということばがありました。   とにか …

「好きなことを仕事にする」

起業を志して一念発起、 いわゆる起業セミナーというところに通い始めて、 最も衝撃 …

「なに、夢みたいなこと言ってるの!?」

何年か前。 知人の家に幾人かの人と集い、 他愛もない話をしていたときのこと。 誰 …

心のノイズを打ち消して、ただがむしゃらに進むのだ

こんなこと、やってみたい! こんなこと、やったらどうだろう!?   そ …

誰かに「習う」前にやるべきこと、できること。

楽器や歌をはじめたいと思うと、 「とりあえず、スクールや個人の先生を探さなくちゃ …

「歌がうまい」って、なんなのよっ!?

歌なんか、習うもんじゃない。 ウンザリするほど聞いたことばです。 正直、私もずっ …