その心ないことば、目の前の本人に直接言えますか?
どんな作品にも、どんなアーティストや活動にも、
批判的な意見やネガティブな気持ちを持つ人は
ある一定の割合で存在します。
やれ下手くそだ、曲がおもしろくない、
歌詞が伝わらない、不細工だ、
何でこんなの売れるのかわからない・・・etc。
人はそれぞれ感性が違うものですから、
どんな意見を持つのももちろん自由です。
個性が際立ち、魅力がある人ほど、
「好き」「嫌い」がハッキリわかれるもの。
ファンが多い人ほど、嫌う人が出てくるのも仕方のないことです。
かつては、世間の細かい意見や評判は、
メディアがとりまとめて載せる、
もしくは事務所などに直接、手紙や電話などが届くくらいでしか、
知ることができませんでした。
批判でもなんでも、メディアで話題にされれば注目されます。
抗議や批判の手紙を書いたり、電話をかけたりということは、
それなりにエネルギーのいることですから、
そんな人が多いほど、
世間の人にとって気になる存在ということにもなります。
それらを歓迎する人もいたでしょう。
また、メディアはそれ自体のセールスを上げるために、
おもしろおかしく、細部を膨らませて書くものですから、
いちいち腹を立てても仕方ないし、
手紙も電話も事務所側が本人の耳や目には直接届かないようにすることで、
アーティストたちはある程度守られていました。
ところが、SNS上での批判的なコメントは意味が違います。
手に取らなくては読むことができない雑誌や、
チャンネルを合わせなければいけないテレビやラジオなどよりも、
拡散性があるにもかかわらず、
匿名であること、最少のエネルギーでできることで、
責任の所在をハッキリせず、気楽に投稿できる。
それが、SNSの素晴らしいところでもあり、怖さでもあります。
こうした、心ない批判やコメントで、
深く傷つけられているアーティストたちは、本当に本当にたくさんいます。
それも有名税の一部でしょうか?
作品やパフォーマンスに関する誹謗中傷、
あきらかに本人を傷つける目的で発されることば・・・
そんなことを公の場で述べる必要はあるのでしょうか?
感想や思いを述べたい気持ちはわかります。
素直な気持ちでことばを紡げるのがSNSのよさですから、
何を書くのも自由です。
しかし、忘れないようにしたいのは、
どんなコメントも、すべて、本人が読むと想像すること。
直接目の前にいる、初対面の本人に、
そのことばを伝えられるかということ。
自分が発することばには責任がともないます。
想像力と思いやりは、ことばを発する以上、いつも忘れないようにしたいものです。
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