大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

その心ないことば、目の前の本人に直接言えますか?

   

どんな作品にも、どんなアーティストや活動にも、
批判的な意見やネガティブな気持ちを持つ人は
ある一定の割合で存在します。

やれ下手くそだ、曲がおもしろくない、
歌詞が伝わらない、不細工だ、
何でこんなの売れるのかわからない・・・etc。

 

人はそれぞれ感性が違うものですから、
どんな意見を持つのももちろん自由です。

 

個性が際立ち、魅力がある人ほど、
「好き」「嫌い」がハッキリわかれるもの。
ファンが多い人ほど、嫌う人が出てくるのも仕方のないことです。

 

かつては、世間の細かい意見や評判は、
メディアがとりまとめて載せる、
もしくは事務所などに直接、手紙や電話などが届くくらいでしか、
知ることができませんでした。

 

批判でもなんでも、メディアで話題にされれば注目されます。

抗議や批判の手紙を書いたり、電話をかけたりということは、
それなりにエネルギーのいることですから、
そんな人が多いほど、
世間の人にとって気になる存在ということにもなります。

それらを歓迎する人もいたでしょう。
 

また、メディアはそれ自体のセールスを上げるために、
おもしろおかしく、細部を膨らませて書くものですから、
いちいち腹を立てても仕方ないし、
 
手紙も電話も事務所側が本人の耳や目には直接届かないようにすることで、
アーティストたちはある程度守られていました。

 

ところが、SNS上での批判的なコメントは意味が違います。

手に取らなくては読むことができない雑誌や、
チャンネルを合わせなければいけないテレビやラジオなどよりも、
拡散性があるにもかかわらず、

 

匿名であること、最少のエネルギーでできることで、
責任の所在をハッキリせず、気楽に投稿できる。
それが、SNSの素晴らしいところでもあり、怖さでもあります。

こうした、心ない批判やコメントで、
深く傷つけられているアーティストたちは、本当に本当にたくさんいます。
 

それも有名税の一部でしょうか?

作品やパフォーマンスに関する誹謗中傷、
あきらかに本人を傷つける目的で発されることば・・・
そんなことを公の場で述べる必要はあるのでしょうか?

 

 

感想や思いを述べたい気持ちはわかります。
素直な気持ちでことばを紡げるのがSNSのよさですから、
何を書くのも自由です。

 

しかし、忘れないようにしたいのは、
 

どんなコメントも、すべて、本人が読むと想像すること。
 

直接目の前にいる、初対面の本人に、
そのことばを伝えられるかということ。

 

 

自分が発することばには責任がともないます。
想像力と思いやりは、ことばを発する以上、いつも忘れないようにしたいものです。

44307180_s

 - Life

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

  関連記事

なめたらあかんぜよ

ずいぶん昔。 広告代理店で、プロデューサーのアシスタントのアルバイトをしていたと …

「謙遜しない」という生き方

「私はただのシロウトなので」 「下手のよこずきで」 音楽やっているんですか?と聞 …

前進し続ける人に共通のキーワード

「もう」は「まだ」なり。「まだ」は「もう」なり。 私の文章によく登場するので、最 …

「は?マスクって、なに?」

数年前にロンドンにひとり旅をしたときのこと。   そもそも旅の準備は周 …

「いいね」が消えた日。

他人の評価なんか気にするな。 自分で自分をどう思うかが大切なんだ。 数字のゲーム …

「まだまだ」と心が騒ぐから・・・

今年も残すところ、後4日。 この時期、大掃除や片付けをしながら、 1年を振り返る …

「変化」を恐れずに生きる

10代の頃は、10代のうちに死にたいと思っていました。 10代が一番美しい。 穢 …

雑草には雑草の生き方があるんでござんす。

芸歴30周年、40周年なんてお祝いをしている人たちが周囲に増えてきて、 ふと自分 …

「妄想」は所詮「妄想」です。

小学校1年の終わりに急性腎炎で、2ヶ月ほど入院し、 (今となっては理由は定かでは …

自分が自分であることの奇跡

今日はお誕生日でした。   いくつになっても、誕生日はとてもワクワクし …