「今さらそんなことして、どうするつもりなの?」
思わず口をついてでることばには、
その人が日頃、何を信じているかが反映されます。
そして、意識的にせよ、無意識にせよ、
自分自身の信じていることこそが、自分の未来をつくるのです。
思うところあって起業の勉強をはじめた、8年ほど前のことです。
就職どころか、就職活動さえしたことがなかった私。
通い始めた起業塾で、講師が使うビジネス用語がひとこともわからず、
必死の思いで、毎日1冊、ないし2冊のビジネス書の読破を自分に義務づけました。
毎日のようにamazonから届く書籍の箱。
読み終わった本と、これから読むべき本で、書架からは本があふれ出していました。
そのようすを見た友人、知人たちの反応は実にさまざまで
「すごい!ボクもがんばらなくちゃ」、
「えらいね。とてもマネできないなぁ。」などという、
ポジティブなことばをかけてくれた人が多い中、
違う反応もありました。
ある知人の奥さんは、
「えぇ〜!?お金あるのね〜!すごいお金の使い方するわね。」と言い、
ある講師仲間は、
「よくそんな時間があるね。」と言い、
また、あるミュージシャンは、
「今さらそんなことして、どうするつもりなの?」と言いました。
私も必死な時期でしたから、言われたときは、
内心、「なんでそんなこと言うんだろう?」と少なからず落ち込んだものですが、
思えば、それこそが彼らの信じていたことから出たことば。
買ったものや、その目的よりも、お金の金額に意識が行くのは、
経済的に余裕がないせいかもしれません。
余裕のないときこそ、無理をしてでも自分自身にお金を投資することで、
将来、経済的な自由を手に入れる可能性が高まる、という考え方もありますが、
それも、それぞれの信じること。
「本なんか買うお金の余裕はない」と信じる人は、
「余裕がない」未来を選ぶことになるのかもしれません。
「時間がない」というのも、自分が信じていること。
自分が選ぶ現実です。
時間はつくるもの。
どんなに多忙な人でも、日常の時間を点検し、工夫すれば、
ビジネス書の1冊くらい読む時間は必ずつくれるものです。
「本なんか読む時間がない」と信じるのは、
本に価値を見出していないか、
自分には時間をコントロールできないと信じているか。
結局は、ずっと、「時間がない」人生を歩むことになるのかもしれません。
「今さら」ということばは、未来を否定することばです。
そして、「人は変化できない」と信じるのも、自分が選ぶ現実。
環境が変化することを心地よく感じないのは、人間の本能の一部とか。
身近な人も環境の一部とすれば、その変化が、
人を落ち着かない気持ちにさせるのも無理のないことなのかもしれません。
「今さら」と思えば、そこで未来は終わり。
「まだまだ、これから」と信じたから、この8年間がありました。
だから、8年経った今でも、未来はまだまだこれからと信じられます。
「今さら」と信じていた人は、今、何を信じているのでしょうか?
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人は目に見えるものを信じようとします。
ですが、直感を信じなければ、クリエイトできないと思っています。