大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

なかなか芽が出ないのは、ずどんといきなり成長するための準備。

   

毎日がんばっているのに、なかなか結果が出せない。
現在進んでいる道が正しいのか、時々不安でたまらなくなる。

そんな想いは、ミュージシャンを目指す若者だけでなく、
なにか叶えたい夢がある人なら、誰でも少なからず持つものです。

今日は、そんな想いを持つ人たちのために、私の旅の1シーンからのお話です。

京都で散策した竹林で、こんな、巨大タケノコに遭遇しました。

IMG_2035

美しき竹林の、そこかしこににょきにょきと生えていた、
この巨大タケノコこそ、今日のお話の主役です。

竹は、4年間ほどかけて地下茎に力を蓄えてから、やっと地表に顔を出すといいます。

つまり、このタケノコ、よちよち歩きの赤ん坊ではなく、
満を持して勝負に出た、いわば、「準備オッケーな若者」。

それで、この「準備オッケーな若者」は、
地表に顔を出したとたん、一日に約1メートルの勢いで伸び、
2〜3ヶ月で、なんと20メートルに達するそうです。

つまり、私が見かけた、この巨大タケノコたちは、
おそらくは昨日〜一昨日まで、地面から見たら、
まったく伸びる気配もなかった場所から、
ずどんといきなり頭角を現し、
地上の先駆者たちに向かって、その存在感を存分にアピールしているわけです。

 

なんか、「ショーシャンクの空」を彷彿とするような、
小気味いい話ではないですか?

 

今は、地下茎に力を蓄えている時期なのだ。
目が出ないのは、いきなり20メートル、ずどんと成長するための準備なのだ。

そう信じられれば、焦ることなく、
日々、努力しつづけられます。

 

そんな風に希望にワクワクしながら、さらに竹林を見上げていると、
ふと、今度は、竹の身長がほとんど同じ高さなことに気がつきました。
調べて見れば、いきなり20メートル伸びた竹は、
一度20メートルほどに達してしまうと、それ以上、ほとんど成長しないというのです。

つまり、高みで悠然としている先駆者たちは、
成長が止まった、いわば成熟しきってしまったおとなたち、ということになります。
これは、地中でチャンスを狙う明日の成功者たちには朗報。
そして、オトナたちに対する警報でもあります。

Tables can turn.

ずどんと伸びる明日を夢みて、地下茎を蓄え続ける。
そして、伸びきってしまったと感じたら、次に芽吹くための準備を模索する。

旅はいろいろなことを教えてくれます。

 - 夢を叶える

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


  関連記事

「もっとうまくなってから」と言う『完璧主義のぐず』

バンド、どうして組まないの? 「もうちょっと、うまくなってからメンバー探そうと思 …

「今に見ていろこのヤロー」

フリーターで、アマチュアで、 仕事もお金も彼氏もなくて、 地を這うどころか、 地 …

どんなに優れたアイディアも、 形にならなければ存在しないも同然

昔読んだ本に、「完璧主義のぐず」ということばがありました。   とにか …

好きであることは自分への責任であり、義務である。

「好きなことをみつけて、それを一所懸命やれよ。 好きなことのない人生はつまんねー …

「そんなことやってても売れないよ」

「そんなことやってても売れないよ」 「もっと売れてるもん聞かなくちゃダメだね〜。 …

夏の価値を高める「8月いっぴっ!」の習慣

こどもの頃から、 月初めの日記には、 今月やったるで!なことを書き並べ、 最後に …

時代が変わって、「歌が好き」という人たちの思いは、 どれだけ変わったのだろう。

「困ったことがあったら本屋へ行け。 自分が困っていることは、他の人も同じように困 …

成長に痛みが伴うのは、 本気度を試されているから。

高校1年の夏だったと記憶しています。 手足が痛くて、眠れない夜が続きました。 筋 …

未来の自分を信じる~Singer’s Tips#29~

自分がオーディエンスだったら、 どんなシンガーを見たいか? どんな歌を聴きたいか …

ゼロ地点に戻れる曲は あるか?

KIMICOKOライブ以来、不定期ながら朝練を続けています。 最近のお気に入りは …