大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

『きみ、ホントに、よくプロになれたよねぇ。』③

   

どんなお仕事であっても、はじめての時は知らないことだらけであたり前です。

 

お仕事そのもののやり方以上に、
挨拶の仕方、タイムカードなどの事務的処理の仕方、
電話の取り方、ことばづかい、職場で使われる用語・隠語の数々など、
その仕事独特の流儀やルールを覚えるのは、
なかなかガッツがいることです。

 

さて、お話してきたように、
私の初仕事は音楽業界の中でも「ザ・芸能界」といわれる、
いわば特殊な世界のお仕事。
しかも、時はバブルのまっただ中です。
思い返しても、実にユニークかつ興味深い流儀や暗黙のルールがありました。

まずは独特の言葉遣い。

 

たとえば、
何時であろうと挨拶は「おはようございます」だったり、

なんでもかんでも、逆さまにことばを言ったり。

例えば、
「デーハーな、ちゃんねー。」(派手なねーちゃん)
「しーすー、まいうー。」(寿司うまい)・・・

さすがにこれは、聞き取れるまでにしばしの修行がいりました。
さらに、数字は音名で。

例)
G千通し(げーせん通しと読み、「5000円通し」の意味。飲み会などでの割り勘)
Eの並び(33,333円のこと。当時のギャラは「並びで請求」と言われたりした)
オクターブ(「8」のこと)
DG(「でーげー」と読み、2500円または25000円)

これらはもちろん、使えと強要されるようなものではありませんが、
わからないと不便だったのと、いかにも業界っぽくっておもしろかったので、
当時は私も好んで使っていました。

さすがに最近ではほとんど聞きませんね。

 

しかし、どうしても慣れなかったことがいくつかあります。

 

例えば、プロデューサーやディレクターが、初対面で自己紹介するなり、
「それで、MISUMIはさぁ・・・」と呼び捨てにしてくることや、

 

現場では「コーラスさん」と呼ばれるのも違和感があるのに、
たとえ業界用語といえども、「ラスコー」呼ばわりされたりする時は、
いつも居心地悪く感じました。

 

ミュージシャンやスタッフたちが、仕事の合間や打ち上げなどで、
いわゆる猥談を平然とするのも我慢ができず、
 
あからさまに嫌な顔をしたり、
わからないふりをしたりするほどに、
ことさらヒートアップしたり、矛先がこちらに向いてきて、
しまいには、集団でからかわれたりするのも本当に苦痛でした。

 

まぁ、私のそういう業界慣れしてない、融通の利かない感じが、
やがて「いじめ」レベルのことばを浴びせられるようになる原因になったのでしょう。
 
いずれにしても「セクハラ」「パワハラ」がすぐに問題になる現代ではあり得ないことです。

このシリーズ、なんだか昭和バブル期の匂いがぷんぷんしますね(^^)

 

38585031_s

 - My History

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


  関連記事

「これは私のスタイルじゃないから」

ずいぶん昔のことになります。 とある音楽制作事務所の年末パーティーで、 作詞家だ …

「才能」ってなんだ?

若かりし頃から、 「恵まれた人」に対する強烈なコンプレックスを抱えて生きて来まし …

音楽と生きるのか?音楽で生きるのか?

かつて、日本には、洋楽至上主義と言っても過言ではないほど、 「やっぱ洋楽なんだよ …

山口県での講演は、ガラにもなくキンチョーからはじまりました。。

先週末、13日は山口県にて 第24回限界突破セミナーに登壇させていただきました。 …

あぁ、あこがれの「ビッチ感」

人にこう見られたい、というイメージと、 実際の自分自身が人に与えるイメージに開き …

人の本質は変えられないなら、半世紀も、一体何をがんばってきたんだか。

先日、小学校時代の同級生グループ、通称「4人組」で久しぶりにランチをしました。 …

リスペクトくださいっ!

私の通った女子校には、なんとも不思議な風習がありました。 学校のある駅を降りた瞬 …

カラダに染みこませたものは裏切らない。

若かりし頃から、使った「歌詞カード」を 大切に取っておく習慣があります。 「ネッ …

「”声のグラデーション理論”は世界でも類を見ない完全オリジナルだ」チャッピーは言った。

「声のグラデーション理論」。 数年前に開発し、新刊『これで、歌がうまくなるコツが …

楽器店に貼り付けられたメン募に電話した日

インスピレーションか、衝動か、はたまた「魔が差す」というのか。 気になったらその …