「就職活動」vs.「プロになりたい!活動」
「就職活動」というのは、実にわかりやすいものです。
この企業で働きたい。
なぜなら・・・
お給料がいいから。
条件がいいから。
一流企業だから。
将来安泰だから。
この会社が好きで、どうしてもここで仕事をしたいから。
ここの社員って言ったら、カッコいいし、モテるから。
ここに勤めたら、いい男をつかまえられそうだから。
などなどと、動機もわかりやすければ、
就職試験という、わかりやすいハードルがあり、
晴れて就職決定! or 残念でした・・・と結果もわかりやすい。
しかも、新卒の就職活動のきっぱりしたところは、
基本、人生1回しかチャンスがないこと。
どんなに入りたい会社であっても、
そうそう何度も同じ会社の入社試験を受けることはできません。
わかりやすいゴール。
わかりやすい準備。
そして、わかりやすい結果。
ある意味、お見合いと似ています。
ダメなら、ダメ。
次行こうっ!
と言うわけです。
一方「プロになりたい!活動」は、
数学的にパキッと割り切れるものではありません。
プロになりたい。
なぜなら・・・
音楽が好きだから。
やめられないから。
・・・ってか、なりたいから。
勝算ゼロ。安泰ゼロ。将来性ゼロ。
モテる?Maybe。
カッコいい?Sometime。
結婚?No way。
どうやってなったらいいのかも、
コネなんてどうつくるのかも、わからない。
入社試験もない。
そもそも、「ミュージシャン」という職業が、
本当に存在するのかどうかもわからない。
一体全体、なんだって、そんなものに憧れて、
人生のゴールデンタイムを無駄にするのか?
わからないおとなも、まぁ、たくさんいます。
とはいえ、
音楽の世界には相変わらず、
一攫千金のアメリカンドリームがあり、
何才になってからでも、
どんな状況におかれていても、
成功したという人の例はあり、
才能があっても、なくても、
うまく行く人は行き、
あちこち寄り道しても、
また舞い戻ることもでき・・・
要するに、いつだって、誰だって、
大きく門を開いて、受け入れてくれそうな、
懐の深さのようなものがある。
一方で、時には、
溶けない氷の要塞のように、
非情で、冷たくて、けして近寄ることのできない、
現実とは切り離された、特別な世界のようにも思える。
ロマンがあると言えばロマンがある。
しかし単なる無謀な賭のようにも思える。
とはいえ、
宝くじと同じ。
買わないくじは当たらない。。。
何を信じるか、何を求めるか。
価値観は100人いれば、100通りあります。
人の望む生活をする必要はないし、
世間の思惑にハマる必要もない。
かといって、無計画に、闇雲に、
なんの保証もない、
不安定な道を歩き出すことが正しい訳はありません。
「こんな風に生活すれば夢が叶う」などという、
定石はどこにもないのです。
自分のゴールはなにか。
自分の叶えたいことはなにか。
どんな自分になりたいのか。
10年後、どんな自分でいたいのか。
具体的に、具体的に、考えて考え抜く。
そこに行き着くまでの道筋を、
徹底的に想い描く。
確信のような材料を得られるまで、
プランを練って練って練りまくる。
そして、行動する。
ゴールを指し示してくれるコーチも先輩もいません。
誰かが号令をかけて歩かせてくれるレールもありません。
努力や忍耐が報われるという保証はどこにもありません。
前人未踏の荒野を、
バサバサと灌木をなぎ倒しながら進む。
最後はそんなガッツが試される。
一流企業に入るのと同じくらい、
いや、それ以上、
才能と根性と、ついでに運も必要な世界なんですね。
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