大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

「就職活動」vs.「プロになりたい!活動」

   

「就職活動」というのは、実にわかりやすいものです。

この企業で働きたい。

なぜなら・・・
お給料がいいから。
条件がいいから。
一流企業だから。
将来安泰だから。
この会社が好きで、どうしてもここで仕事をしたいから。
ここの社員って言ったら、カッコいいし、モテるから。
ここに勤めたら、いい男をつかまえられそうだから。

などなどと、動機もわかりやすければ、

就職試験という、わかりやすいハードルがあり、

晴れて就職決定! or 残念でした・・・と結果もわかりやすい。

しかも、新卒の就職活動のきっぱりしたところは、
基本、人生1回しかチャンスがないこと。

どんなに入りたい会社であっても、
そうそう何度も同じ会社の入社試験を受けることはできません。

わかりやすいゴール。
わかりやすい準備。
そして、わかりやすい結果。

ある意味、お見合いと似ています。

ダメなら、ダメ。
次行こうっ!

と言うわけです。

一方「プロになりたい!活動」は、
数学的にパキッと割り切れるものではありません。

プロになりたい。

なぜなら・・・
音楽が好きだから。
やめられないから。
・・・ってか、なりたいから。

勝算ゼロ。安泰ゼロ。将来性ゼロ。
モテる?Maybe。
カッコいい?Sometime。
結婚?No way。

どうやってなったらいいのかも、
コネなんてどうつくるのかも、わからない。
入社試験もない。

そもそも、「ミュージシャン」という職業が、
本当に存在するのかどうかもわからない。

一体全体、なんだって、そんなものに憧れて、
人生のゴールデンタイムを無駄にするのか?

わからないおとなも、まぁ、たくさんいます。

 

とはいえ、

音楽の世界には相変わらず、
一攫千金のアメリカンドリームがあり、
何才になってからでも、
どんな状況におかれていても、
成功したという人の例はあり、

才能があっても、なくても、
うまく行く人は行き、

あちこち寄り道しても、
また舞い戻ることもでき・・・

要するに、いつだって、誰だって、
大きく門を開いて、受け入れてくれそうな、
懐の深さのようなものがある。

一方で、時には、
溶けない氷の要塞のように、
非情で、冷たくて、けして近寄ることのできない、
現実とは切り離された、特別な世界のようにも思える。

 

ロマンがあると言えばロマンがある。
しかし単なる無謀な賭のようにも思える。

とはいえ、
宝くじと同じ。
買わないくじは当たらない。。。

 

何を信じるか、何を求めるか。
価値観は100人いれば、100通りあります。

人の望む生活をする必要はないし、
世間の思惑にハマる必要もない。

かといって、無計画に、闇雲に、
なんの保証もない、
不安定な道を歩き出すことが正しい訳はありません。

「こんな風に生活すれば夢が叶う」などという、
定石はどこにもないのです。

自分のゴールはなにか。
自分の叶えたいことはなにか。
どんな自分になりたいのか。
10年後、どんな自分でいたいのか。

具体的に、具体的に、考えて考え抜く。

そこに行き着くまでの道筋を、
徹底的に想い描く。

確信のような材料を得られるまで、
プランを練って練って練りまくる。

そして、行動する。

ゴールを指し示してくれるコーチも先輩もいません。

誰かが号令をかけて歩かせてくれるレールもありません。

努力や忍耐が報われるという保証はどこにもありません。

前人未踏の荒野を、
バサバサと灌木をなぎ倒しながら進む。

最後はそんなガッツが試される。

 

一流企業に入るのと同じくらい、
いや、それ以上、
才能と根性と、ついでに運も必要な世界なんですね。

 

◆【メルマガ365】声と歌に大切な情報を毎朝配信しています! ご登録はこちらから。バックナンバーも読めます。
【第5期 MTL ヴォイス&ヴォーカル レッスン12】 受講受付中!

 - プロへの突破口, 夢を叶える

  関連記事

天才には、がんばらないでいただきたい。

どこからどう見ても天才という人が、 やっぱり世の中にはいるものです。 生まれなが …

「バンマス・マニュアル」〜ライブ編〜

メンバーがあつまったら、さっさとライブを決める。 いや、なんなら、メンバーは集ま …

15分間の名声(15 minutes of fame)

「誰もが知っている有名人」は、 自分が有名であるという認識こそ、もちろんあるけれ …

年齢は、ただの数字。

先日、外国人の友人家族とスキー旅行に出かけた時のこと。 「ホテルに泊まるのに、な …

18才のように夢見て、38才のように考察し、28才のように行動する。

18才のとき、夢は無限大でした。 自分自身にも、自分の可能性にも、未来にも、なん …

歌には”仕掛け”と”意図”がある!

昨今、カラオケのおかげか、 はたまたYouTubeやアプリのおかげか、 巷に歌の …

「本気で好き」ということ。

「歌が好きなんです。 本気でシンガーになりたいんです。」 そんなことばを聞くたび …

音楽時間を最大化するためのコツ。

仕事の精度の高い人は、切り替えがうまい。 昨今、私の周辺の「できる人」を見ている …

音楽業界で「出会い」と「チャンス」をつかむ5つのヒント

音楽の世界で生きていくため、 認められるため、 生き延びるためには、 自分のゴー …

誰に話しても「ウソぉ〜」と言われるOnline映像制作秘話①

MTLオンライン12というオンライン講座を作り上げ、 やっとスタートにこぎつけた …