覚えたはずの歌詞が出てこないのは、脳のバグ?
人間の脳は経験したことを実はすべて詳細に記憶している、といいます。
ただ、情緒を守るために、その記憶が取り出せなくなるだけだとか。
とすれば、1度聞いた歌の歌詞だって、理論的には、すべて、脳に記憶されているということ。
ただね、歌詞は「ことば」。
実際の経験なら、誰かに出会った時、その人の顔に感情を動かされたり、同じ名前の人を思い出したり、どこかにいたとすれば、匂いや、その場所の温度や湿度までもが、その場所の印象となって心に刻まれる。
だから、自分が実際に体験したかのように、感情や感覚と紐付けしやすい歌詞ほど、覚えやすいものです。
歌詞を覚えるのが苦手な人は、この紐付けして、感情を取り出す力を磨くことがお勧めです。
あたかも実際に経験したかのように感じられることばは、しっかりと胸に、カラダに刻まれます。
だから、たとえ形容詞が入れ替わったとしても、同義のことばがすっと出てきたりするものです。
ところが、こうして、しっかり記憶に刻んだはずのことばが、恐ろしいくらい出てこなくなる時があります。
これ、私、脳のバグだと考えています。
スラスラと口から出てくるはずの思考や感情の流れを、「え〜と、次なんだっけ?」という余計な思考が止めてしまう。
そ、バグです。
しょっちゅう逢っているはずの人の名前が出てこなくなる、あれ、です。
こうしたことが起きるのは、たいがい、疲れているとき、集中力が途切れるような出来事が起きた時、そして、自信のない時。
とにもかくにも、徹底的に、自分の中の経験と歌詞を紐付ける。
感情がわき起こるまで、歌詞を「経験する」。
自分のことばのように出てくるまで、反芻する。
そして、歌う前夜はしっかりと脳を休めることです。
後は、本番前にひたすら、おまじないのように繰り返すのみ。
脳は忘れない。脳は忘れない。脳は、絶対、忘れない・・・。

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