何をやるかより、いかに自分で在るか。
新年初ブログです。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
この年末年始、自分という人間の「在り方」を、ずっと考えていました。
ここ数年、何かになりたいとか、何かをやりたいとか、そんな、想い先行で突っ走ってきた感があります。
ある日ドカンと降ってきた、「ヴォイトレメソッドを組立て、ひとりでも多くの人に届ける!」というミッション。
そのミッションを叶えるために、あれをやりたい、これをやらなきゃ、こんな風にならなくちゃと、まぁ、がむしゃらにがんばってきたわけです。
ちょっとずつ、いろんなことが形になってきました。
結果も少しずつですが残せてきたと感じています。
しかし、です。
「ひとりでも多くに」を目指すほどに、私という人間の「在り方」が希薄になっていくような感覚が、いきなり、芽ばえたのです。
そもそも、ヴォイストレーナーというのは裏方の仕事です。
どれだけ有名なアーティストやビジネスエグゼクティブとお仕事しても、立ち位置はあくまでもスタッフ。
アイデンティティや自己顕示欲は無用なんです。
(ヴォイトレYouTuberの方たちは、ヴォイトレを題材にしているタレントさんなので、この限りではありません)
だから、レッスンでも、メソッドでも、前著『これで、歌がうまくなるコツがぜんぶわかる!』でも、私という人格が前に出すぎないよう、極力努めてきました。
けどね。
自分がクリエイトしたり、発信したりするものから、「自分」を消してしまったら、一体全体、クリエイトする意味ってなんだろう。
私の最大の武器はマニアック、いや、ど変態であること。
そもそも、学生時代から、「みんな」が好きって言ってるモノを無条件で好きだと思ったことは一度もなくて、だからこそ、公平な視点と冷静な気持ちで、アーティストや音楽と向き合えると自負してきたわけなのだけど。
「みんな」が欲しいものを語るのは、「みんな」が好きなものを心から好きな人に、そろそろ、まかせた方がいいんちゃうの?
そんなことをつらつらと考えていたら、友人であるライターのさとゆみ(佐藤友美)さんから、彼女がwebで連載している「今日もコレカラ」というエッセイをまとめたZINEが届きました。
そこにね、「同士に」と書かれた栞が挟んであって、
「mustで書く文章って、どうしてもハネない気がするんですよね。それよりはwillを優先したいなぁ。というかもう、そういう時間しか残ってない気がするんです。」というメッセージがあったんです。
あたかも、私の迷いを見透かされたようなメッセージに感じ入っていると、今度は、友人の著者、須王フローラが書いたNoteが目にとまりました。
「なぜ書きたいのか、それは登山家がそこに山があるから登るのと同じで、みんなに知って欲しい何かがあるとか、自分の思いを伝えたいだとか、そういうことはもうとっくにはるか彼方後方にあって、書くことがやめられないから書いている、それだけでものを書き続けています。」
これぞ、「在り方」。
「山があるから登る」ということばは、まさに、ここ数日、ずっと反芻していたことばでもありました。
またシンクロニシティです。
2人の友人のことばに背中を押されたような形で、今年向かうべき方角が、はっきりと見えました。
原点回帰。
私自身の「在り方」と、しっかりと向かい合う1年にしていきます。
そんな物づくりと、発信を、していければと。
よろしければ、今年も、おつきあいください。
写真は、昨年長崎を旅した時に見た空。白蛇と鳳凰です。
1枚の写真にうまく収まらなかったので、繋げていますが、まさに、こんな感じに見えました。
2025年は、特別な年。

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