それはプラシーボじゃないのか?
いい楽器は、いい音がする。
名のある歌手は、やっぱりうまい。
高価なフルーツは、めちゃくちゃ美味しい。
本物がいいのは、当たり前。
・・・しかしね。
それは、プラシーボじゃないのか?
時には、自分の固定概念を疑ってみる必要が、あるんじゃないのか?
先日、ジェフ夫さんに頭痛薬を買ってきてとお願いしたら、
そっくりさんな、パチモン、
もとえ、新製品を買ってきてくれました。
なんでも、成分はまったくおんなじだそうで。
確かに、チェックしたら、有効成分はまったくおんなじ。
ところがね。
なんか、効かないんですよ。
どうも、イマイチ、しゃきっと頭が軽くならない。
たまたま、そういうタイプの頭痛だったのかと思ったのだけど、
その次に頭痛がやってきたときも、
やっぱりなーんか、すきっとしない。
これは、完全にプラシーボよね。。。
効くと思えば効くんだから。
そう。効く。効く。効く。。。
でもね。
私は、その薬が、パチモン、新製品なことを知ってしまっているわけで。
だから、なんか、毎回その薬を飲むたびに、
あー、これ、そっくりさんだから・・・と、
どこかで思っているのかもなと。
以下、ジェフ夫さんとの会話。
「ねぇ、ギターだって、プラシーボあると思わない?」
「そりゃあるさ。なんにだってあるさ。」
「やっぱフェンダー、いい音するよなー、とかさ。
ギブソンじゃなきゃ、ダメだよねー、とかさ。」
「そうね。プラグインのユーザーインターフェースが、
ビンテージ機材そっくりにつくられてると、
おんなじ音が出ている気になるよねー。」
ここだけの話、
化粧品は高いほど、効果が高い気がするし、
お洋服はいいお値段のものほど、オーラを感じるし、
高級なレストランほどブリリアントなお味がする。
・・・気がする。
私たちは、少なからず、その「気がする」にお金を払い、
その「気がする」で元気になったり、綺麗になったり、幸せになったりする。
自分が送り手になるときもおなじ。
どんなに価値のあるものを提供していても、
見え方、見せ方がイマイチだったり、
身なりや言葉づかいが雑だったり、
自分自身を卑下したり、不必要に謙遜したりすれば、
「プラシーボの魔法」どころか、
「逆プラシーボ」さえ起こりかねません。
プラシーボに騙されない、
本物を見抜く、目や耳を養いつつ、
自分自身の価値を少しでも高く見せる努力も惜しまない。
それこそが、自分自身の仕事を最高の形で届ける努力でもあるわけです。
なんでも、学びであります。
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