大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

ピッチをよくする練習。

   

「ピッチ悪いね」

歌を志す人が投げ掛けられる苦言で、
これほど辛く、
途方に暮れることばもありません。

自分じゃ、ちゃんと歌っているつもりなわけです。
そもそも、自分がピッチが悪いかどうかがわかるくらいなら、
悪いピッチのまま歌わない。

だから、いきなり、
「ピッチが悪い」って言われても、
具体的に何がどう悪いのか、さっぱりわからない。

しかも、それをじゃあ、どうしたらいいの?
って答えは、誰も教えてくれない。

これほど、途方に暮れることはありません。

さて、私の場合、このピッチ問題、
「アカペラで録音した歌をキーボードで確認する」
という、非常に地味かつシンプルな方法で、
一気に改善方向に向かいました。

歌い出しの音をピアノで弾く。
そのままアカペラで歌って録音する。
録音した歌にあわせてピアノを弾いてチェックする。

これだけです。

はじめてやったときは、
2音目からの驚愕のずれっぷりに、
自分がピアノを弾き間違えているのではないかと、
何度も確認したほどです。

アカペラで歌って、
音がきっちり合うのは、
きっと絶対音感の人だけなんだと、
自分自身に信じ込ませようとしたりもしました。

 

しかし、ずれる音を、一音一音チェックし、
ずれないように練習し、
また録音し、チェックする。

そのうちに、見事に、
まったくずれないテイクが録れるようになりました。

ヴォーカリストの場合、
オケの中でのピッチ感をチェックすることも、
もちろん大事ですが、
その前に、自分の音程感覚をしっかり磨くことが
必要不可欠なのです。

ドとレの幅=二度
ドとド#の幅=半音
ドとミの幅=長三度・・・etc.

12平均律という音楽のルールなら、
「音の幅」は一度覚えてしまえば、
どの音でも、どんな高さでもおなじです。

この「幅」をきちんと刻みつけること。

最初はどんなにずれまくっていても、
1ヶ月半〜2ヶ月ほど、
毎日しつこくやっていると、
あ、こんな感じね!とわかるようになるはずです。

その際は、1曲を徹底的に練習することをオススメします。

その1曲を制覇すれば、
次の曲はぐっと短時間でできるようになるはず。

すべてはくふうです。
今はよいアプリもありますし、
自分なりの方法を見つけて、
めげずにがんばりましょうね。

◆一生に一度、集中的に学ぶだけで、”自分で自分に教えること”を可能にするMTL 12。毎週日曜日10時〜Youtubeにて公開中。
毎週月曜発行中!声に関するマニアックな情報やインサイドストーリーをお届けする無料メルマガ『声出していこうっ』。バックナンバーも読めます。

 - B面Blog, Singer's Tips, 「イマイチ」脱却!練習法&学習法

  関連記事

「髪の毛一本」レベルで、音の長さにこだわる。~Singer’s Tips #18~

歌の印象を大きく変えるポイントのひとつに、 「音の長さ」があります。 歌い出しの …

未来の自分を信じる~Singer’s Tips#29~

自分がオーディエンスだったら、 どんなシンガーを見たいか? どんな歌を聴きたいか …

「いいね」が消えた日。

他人の評価なんか気にするな。 自分で自分をどう思うかが大切なんだ。 数字のゲーム …

テクノロジーは「交通手段」のように 付き合う。

歌を志した21〜22才くらいから、 周囲のおとなミュージシャンたちのオススメに素 …

「ジャストフィット」を探せ!

初めて手に入れたギターは、ピアノのおまけにと、 お店の人がサービスでつけてくれた …

ことばに「自分の匂い」をしみつける

ことばには、話す人の匂いがあります。 同じことを言うのにも、ことばの選び方や言い …

「宝物」と呼べる情報、いくつ持っていますか?

「この写真は19〇×年の△△コンサートのやつだね。 持ってるギターが○○で、ピッ …

とにかく歌う。毎日歌う。それを続ける。

生まれて初めて包丁を持つときは誰だって、 なんのことはない作業、 例えば、単に「 …

音なき音楽をキャッチする

歌や音楽を学びたい、極めたいと思うとき、 ついつい、音楽のことばかりを考え、 ま …

「美しき手順」を持つものに、運命の女神は微笑むのだ。

「はじめて日本に行って、 お店でちょっとしたおみやげを買ったとき、 本当にびっく …