ピッチをよくする練習。
「ピッチ悪いね」
歌を志す人が投げ掛けられる苦言で、
これほど辛く、
途方に暮れることばもありません。
自分じゃ、ちゃんと歌っているつもりなわけです。
そもそも、自分がピッチが悪いかどうかがわかるくらいなら、
悪いピッチのまま歌わない。
だから、いきなり、
「ピッチが悪い」って言われても、
具体的に何がどう悪いのか、さっぱりわからない。
しかも、それをじゃあ、どうしたらいいの?
って答えは、誰も教えてくれない。
これほど、途方に暮れることはありません。
さて、私の場合、このピッチ問題、
「アカペラで録音した歌をキーボードで確認する」
という、非常に地味かつシンプルな方法で、
一気に改善方向に向かいました。
歌い出しの音をピアノで弾く。
そのままアカペラで歌って録音する。
録音した歌にあわせてピアノを弾いてチェックする。
これだけです。
はじめてやったときは、
2音目からの驚愕のずれっぷりに、
自分がピアノを弾き間違えているのではないかと、
何度も確認したほどです。
アカペラで歌って、
音がきっちり合うのは、
きっと絶対音感の人だけなんだと、
自分自身に信じ込ませようとしたりもしました。
しかし、ずれる音を、一音一音チェックし、
ずれないように練習し、
また録音し、チェックする。
そのうちに、見事に、
まったくずれないテイクが録れるようになりました。
ヴォーカリストの場合、
オケの中でのピッチ感をチェックすることも、
もちろん大事ですが、
その前に、自分の音程感覚をしっかり磨くことが
必要不可欠なのです。
ドとレの幅=二度
ドとド#の幅=半音
ドとミの幅=長三度・・・etc.
12平均律という音楽のルールなら、
「音の幅」は一度覚えてしまえば、
どの音でも、どんな高さでもおなじです。
この「幅」をきちんと刻みつけること。
最初はどんなにずれまくっていても、
1ヶ月半〜2ヶ月ほど、
毎日しつこくやっていると、
あ、こんな感じね!とわかるようになるはずです。
その際は、1曲を徹底的に練習することをオススメします。
その1曲を制覇すれば、
次の曲はぐっと短時間でできるようになるはず。
すべてはくふうです。
今はよいアプリもありますし、
自分なりの方法を見つけて、
めげずにがんばりましょうね。
◆一生に一度、集中的に学ぶだけで、”自分で自分に教えること”を可能にするMTL 12。毎週日曜日10時〜Youtubeにて公開中。
◆毎週月曜発行中!声に関するマニアックな情報やインサイドストーリーをお届けする無料メルマガ『声出していこうっ』。バックナンバーも読めます。
関連記事
-
-
わかりやすくうまい人 vs. さりげなくうまい人
「歌のうまい人」には2種類います。 ビヨンセやホイットニーやアギレラみたいに、 …
-
-
理屈は後付け。
先日の『イケてないロック・ヴォーカルは、なぜイケてないのか?』、 たくさんの方に …
-
-
基礎を忘れるために、基礎を学ぶのだ!
ボイトレが一番チカラを発揮するのは、すべてを忘れて、表現に没頭するとき。 フォー …
-
-
練習を「単なる時間の無駄」で終わらせないための3つのポイント。
歌を志すことになったのは、 私にとって、ある種の「挫折」でした。 そんなことを言 …
-
-
「なめたらあかんぜよ」
先日、勢いでiPhoneを10から15にしたおかげで、今までiPhoneを繋げる …
-
-
ライブって、本当にすごいんだ。
人にライブの思い出を語るときは、 ついつい、大きなホールで歌った話や、 テレビの …
-
-
毎日プレイしているだけじゃ「上達」はしない
「人生で一番練習した」と言い切れる時期はありますか? おそらく、ほとんどの人は、 …
-
-
「売れないアーティスト」の回顧録
自分の心がおもむくままに、 なにかをクリエイトすることは、 私の癖のようなもので …
-
-
音楽ソフトが使いたい!でも、PCが苦手?
最近昔話ばっかりで恐縮です。 生まれてはじめて、 自分でオリジナル曲を録音した時 …
-
-
なんだ、カラオケって、楽しいじゃんっ!
あたくし、今さら言うのもなんですが、 実は、カラオケが大の苦手でした。 これ、ミ …