「準備OK」な自分を育てる
欲しいものがなんだかわからなければ、
どこに向かって手を伸ばせばいいのか、わかりません。
ただ漠然と、がむしゃらに走り出しても、
間違った情報や望まない結果ばかりに出会って、
自分に対するフラストレーションは募るばかり。
例えば、素敵な車に乗っている人に会って、
「あぁ、カッコいい車に乗ると、かっこよく見えるんだ」と、気づく。
じゃ、自分もカッコいい車を買おう!と思い立つ。
その人が乗っていた車について調べると、
とんでもないお値段で、全然手が出ない。
しかも、そんなお金を払ってまで、欲しいかというと、
そうでもない。
そのまま忘れてしまえるなら、
「カッコいい車」とのご縁はそれまでですから、
なんの問題もないのですが、
気持ちはくすぶり続けます。
街で素敵な車に乗っている人を見かけるたびに、
「あぁ、あんな風にカッコいい車に乗りたいな。
でもな、余裕ないよな・・・」
と、なんだかコンプレックスのような気持ちさえ抱いてしまう。
ここで本当に大切なのは、
その人は、その時点で、
何が欲しいのかを具体的にわかっていないということなんです。
例えば、ポルシェの、このシリーズの、この色の車が欲しい!
と、具体的にわかっていれば、
後はどうしたら買えるか、
計画を立てて行動するのみです。
いついつまでに、いくらお金を貯めて、
その後は年にこれくらいにローンを何年で組んで、
駐車場はこの辺を借りて・・・
と、実に具体的なプランが立てられます。
その途中で、興味がなくなれば、
それはそれでいいわけです。
しかし、その人が欲しいのは「車」でさえない。
「カッコいい車に乗って、カッコよく見える自分」です。
だから、無理して、
カッコいい人が乗っている車を手に入れても、
コンプレックスもフラストレーションも消えません。
むしろ、無理して、
めいっぱいがんばって買ったのに、
ちっともカッコよくない自分に、
嫌気がさしてしまったりするわけです。
実は、音楽のキャリアでも、
このお買い物の例と同じことが言えます。
メディアに出たり、
プロの世界でバリバリ働くミュージシャンって、
カッコいいよな、と思う。
しかし、自分には手の届かない、遠い世界。
ここで、あきらめられれば、よいのだけれど、
相手にされない自分自身に、
コンプレックスやフラストレーションは募るばかり・・・。
先ほどの車の例を思い出してください。
この時点で、この人が欲しいのは、
キャリアでも仕事でもメディアに出ることでもない。
そもそも、どんな「仕事」をして、
どんな「キャリア」を積んで、
どんな形でどんな「メディア」に出たいのかさえ、
わかっていないんです。
これでは、なにひとつ手に入りません。
誰でもいい、どこでもいいと、自分を売り込んで、
いざ、自分が試されるシーンになったらボロボロで、
結局、またコンプレックスにがんじがらめになってしまう。
ね?どこにも行けません。
こんなとき、やるべきことは、
自分が本当に欲しいものを、
徹底的に、具体的にしていくこと。
自分の心の中を掘って掘って掘りまくって、
ありとあらゆる情報を集めまくって、
人に会いまくって、
自分が求めているもの、求める結果を、
すっかり腑に落ちるまで探し続けること。
そして、それにふさわしい自分、
「準備OK」な自分を育てることです。
時間がかかることを恐れてはいけません。
手に入るべきものは、
何年経っても、必ず自分の手元にやってきます。
それも、自分自身が完全に準備OKになった、
完璧なタイミングで、やってくる。
具体的に「これだ」とならないうちに、
どんなにジタバタしたって、
本当に自分が欲しいものは、なにひとつ手に入らないのです。
「物」が自分を素敵にしてくれるわけではない。
「キャリア」がその人をカッコよく見せるわけでもない。
「準備OK」の人だけが、
その「物」を手に入れ、身につけたとき、素敵に見える。
その「キャリア」と向き合ったとき、
よりカッコよく、輝きを増す。
「準備OK」な自分を目指して、
今日も掘って掘って掘りまくるのです。
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