大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

「自信」に根拠なんか、いらない。

   

ヴォーカルのプロとしてさまざまなお仕事をしながらも、自分に全然自信が持てなかった若き頃。

自信というのは、美人で、スタイルがよくて、運もよくて、能力が高くて、まわりに大事にされる人にしか宿らないものだと、勝手に決めていました。

 

だから、自分のまわりのキラキラ系の人たちと自分を引き比べては、私って、なんてつまらないんだろう、なんて不細工なんだろうと、うじうじ、じめじめしていました。

 

うじうじ、じめじめしている人に、人は魅力を感じない。
そんなことはわかっていても、どうやって、そのうじうじ、じめじめから、抜け出したらいいのかわかりません。

 

鏡を見てはため息をつく日々。

 

自分を好きになるということは、人生の最大の課題なのかもしれません。

 

そうそう。こんなことがありました。

「美人の法則」とかいう雑誌の特集があって、モデルの顔のあちこちに線が引いてあって、眉毛と眉毛の間は顔の横幅の何パーセントだとか、顔の縦の長さに対して、顔の横幅は何パーセントだとか、そんな基準がまことしやかに書かれていました。

 

そういうのを真面目にやっちゃうのが私。

物差しを取り出して、顔のあちこちを計って、一つもその基準の中に入っていないと再確認し、泣いたものです。

 

あほか。

 

トレーナーになって、生徒たちと感情移入せずに、冷静に向き合うようになってから、自信に根拠はいらないのだと、悟りました。

 

例えばTちゃん。

レッスンの間中、べた〜っと鏡の真ん前に顔をくつけて、自分の顔をじ〜っと見つめては、まつげを触ったり、瞬きをしたり、髪を直したりしていました。

ものすごく自分が好きなようで、まわりの人も同じくらい、自分を可愛いと思っていると信じているようす。

 

正直、絶世の美女にはほど遠く、どのポイントに自信を持っているか、私には最後まで理解できませんでしたが、そのナルシストエネルギーのものすごさに胸を打たれたものです。

その後彼女は、テレビに出て、一躍有名になります。

 

 

例えば、Nくん。

前衛的な曲を書く若者でしたが、いわば全然ポップじゃない。

「もっと売れそうな曲を書け」と、おそらくまわりには言われていたはず。
それでも、その世界観に、カリスマ的な人気がありました。

歌詞の英語もウソくそで、こんなんで大丈夫?とレコーディング前に聞いたことがあります。

まだ20代前半だったNくんはニヤリと笑って言いました。

「いいんす、いいんす。そういうの、カンケーないんで。」

 

カッコいい。

 

自信って、こういうことだ、と思い知らされました。

 

 

根拠なんか、いらない。
思い込みと勘違い。

 

これだけです。

 

なんだっていい。

とりあえず、勘違いできるネタを探すところから、
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