大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

誰もが、自由に歌えるカラダを持っている。

      2016/10/27

もしも、何も考えず、なんの苦痛もなく、
どんな曲でも、素晴らしい声で自由に歌えたら、
あなたは歌を歌いたいですか?

 

こんな質問に、「NO!」と答える人って、
何パーセントくらいいるのでしょう?

もちろん、楽器の演奏でも、スポーツでも、
自由に、なんの肉体的制約もなく、素晴らしい結果が出せるのであれば、
なんだって「やってみたい!」と思うものでしょうが、
その人気度は歌の比ではありません。

 

1年間のカラオケ参加人口は5000万人弱いるといわれています。

音楽を自分たちで演奏して歌っている人や、
民謡、ゴスペルなどカラオケのいらない音楽をやっている人たちもいます。

さらには、家事をしながら、通勤途中などなど、
鼻歌レベルで歌っている人がいます。

 

歌うことは人間の本能の一部。

それだけは間違いありません。

 

歌が苦手。
人前で歌うのは好きじゃない。
自信がないから歌いたくない。。。

などなどのような人はいますが、
「歌そのものが嫌い」という人には会ったことがありません。

(まれに、「音楽にはまったく興味を持てない」という人がいますが、
それはまた別のお話。)
さて、「歌が苦手」という人の理由は・・・

声が出なくて苦しい、ノドがすぐに痛くなる、枯れる、
高い声が出ない、低い声が出ない、
声が小さい、ガラガラ声だ、ノドが詰まる、呼吸が苦しい・・・

など、歌うことが苦痛を伴う。

または、

「音痴だ」「へたくそだ」「恥ずかしいから人前で歌うな」
「酷い声だ」「声が小さくて聞こえない」などなど、

さまざまなことばを人に投げかけられて、
トラウマを抱えている。

このどちらか、または両方です。

 

 

苦痛だし、歌っても人に酷評されるし、では、
歌うことが嫌いになっても仕方がありません。

歌うことも運動の一種なので、
そうして、人前で歌うことをやめてしまえば、
歌うための筋肉は、どんどん、その柔軟性が失われ、
退化してしまうのに・・・です。

 

生まれつき歌のうまいという人は、確かにいます。
これは否定しません。
DNAに、歌う遺伝子がふんだんにある人は、
発声もいいし、音楽のセンスもいい。
もちろん、声もいい。

たいした努力をしなくても自由自在に、
音程やリズムもしっかりと、表現力豊かに歌える、
そんなうらやましい、ごく一部の人のことは、
この際、放ってきましょう。

そもそも、そんな人は、きっとこのブログを読んでいないでしょうから、
関係なしです。

 

しかし、私がここで、声を大にして言いたいことは、

誰もが、自由に歌えるカラダを持っている。

ということです。

 

信じてくれない人に、いつも必ずする質問はこれです。

「声のこもった犬っていますか?」

「声の枯れやすいライオンって、いますか?」

 

動物たちは存分に自分たちの発声能力を発揮して、
自分たちの「歌」を歌っています。

人間だけがそれをできないのは、
カラダの使い方を間違えて覚えてしまっているから。
そして、
心でブレーキをかけてしまっているから。

これだけです。

 

大事なのは、カラダをリセットして、
本来デザインされているようにつかうこと、
そして、心のブロックを外すこと。

たったこれだけで、歌うことは信じられないくらい、楽で楽しくなるものです。

その方法などは、また折りに触れ、書きますね。

オオカミ

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