大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

「音楽」という流れをつかむ~Singer’s Tips #15~

   

一音にこだわる。
1ポーズにこだわる。

歌も踊りも、
重箱の隅をつつき倒すように、
徹底的に、細部を追い込むことは、
全体の精度を上げるために、
必要不可欠な作業です。

しかし、この「1音」「1ビート」「1ポーズ」は、
あくまでも、最初のめやす。

音楽も、踊りも、
単なる「点」の連なりではなく、
流れであり、グルーブです。

1音1音をくっきり刻むためには、
ビートを「点」としてとらえることは、
必要不可欠なのだけど、
それは、あくまでも、
大きな絵の中の「点」でしかないわけです。

ひとつひとつの「点」にこだわりながらも、
今、自らが描こうとしている
大きな「絵」を想像する。

もしくは、
大きな「絵」を描くために、
「点」を丁寧に描くことを積み重ねる。

気が遠くなるような作業かもしれませんが、
これしか道はありません。

まずは1音1音と丁寧に向き合う。
一方で、演奏しよう、踊ろうとしている曲を
「音楽」として、フラットに聞く。

この訓練を積むことが、
本当の意味での成長につながります。

時間はかかりますが、
最短最速最高に結果を出すには、
やはり、これしかないんですね。

◆一生に一度、集中的に学ぶだけで、”自分で自分に教えること”を可能にするMTL 12。毎週日曜日10時〜Youtubeにて公開中。
毎週月曜発行中!声に関するマニアックな情報やインサイドストーリーをお届けする無料メルマガ『声出していこうっ』。バックナンバーも読めます。

 - B面Blog, Singer's Tips, 「イマイチ」脱却!練習法&学習法, 音楽

  関連記事

「残念なミスコピー」は、そろそろ卒業しましょう。

誰もが一度は、 人の歌や演奏を聞いて、カッコいい!マネしたい!カバーしたい! と …

リズム感が悪いと言われたら「発声を見直す」!

「リズムが悪い」と言われたら、 誰もが真っ先に試みるのは・・・ 1.ドンカマやド …

よき時代のよきものを、 いい形で後世に伝える方法

高校時代、何が嫌いって「古文」の授業くらい 嫌いな授業はありませんでした。 使わ …

プロフェッショナルの歌は、「リズム」が違う!

プロフェッショナルと、一般の人の歌の、何が違うと言われたら、筆頭にあげるのは、間 …

「やる気はあるのにできない症候群」の処方箋

「練習しなくちゃいけないってわかってるでしょ? やらないと、できなかった自分に落 …

伸び悩む人にする10の質問

「キミ、ホントにうまくならないなぁ。」 今日は、そんな風に言われた時、 または、 …

なにこれ?こんなんでいいの?

20代前半まで、 アートなんて自分とは無縁のものだと思っていた私が、 ツアーのす …

幸せと。寂しさと。そして嫉妬もちょびっと。

自分の仕事の評価を何で計るか? 稼いでいる金額? メディアで取り上げられた数? …

いい歌は左脳を麻痺させる。

ものすごくうまいのに、ものすごく退屈な歌、というのを、 たくさんたくさん聞いてき …

人には、人の「道筋」がある。

学生時代、得意だった科目に『論理学』があります。 一般教養の範囲ですし、 正直、 …