「憧れのあの人は持っているのに、私は持っていないものリスト」
音楽に目覚め、
「いつかビートルズになる!」と頭の悪いことを真剣に夢見ていた中学時代。
ビートルズになるために必要なのは、
1.ピアノが弾けること
2.ギターが弾けること
3.歌が歌えること
4.英語ができること
と信じて疑いませんでした。
そして、なぜそう思ったのかなんてことは聞かないで欲しいのですが、
その4つができるようになると、
ビートルズのような曲が書けるようになるのだと、
勝手に思い込んでいたのです。
あイタタタタ。。。
高校生になって、アイドルこそ、ビートルズから、
レッドツェッペリンに変わったものの
今度は「いつかおんなジミー・ペイジと呼ばれる人になる!」
と思い込んでしまう頭の悪さは健在で・・・
その時、「おんなジミー・ペイジ」になるために必要と判断した要素は、
1.身長170センチ以上
2.レスポールの指板の幅と同じ、小指の第2関節から上の長さ
3.真っ直ぐで男性的なカラダつき
4.神秘的で無口な性格
そして、そして、
何より、マイクを持って歌を歌うヴォーカリストなんか、
全然クールじゃないと、勝手に決めつけていました。
そこの、あなた。
笑ってますけど、誰でも多かれ少なかれ、このくらいアホな思い込みと、
コンプレックス、持っているものじゃありませんか?
高校3年間に渡るギターとの死闘の末に、
上記の要素のただのひとつもクリアできないことも理由となって、
「おんなジミー・ペイジ」はやがて、あきらめてしまいます。
(夏休みいっぱい、大まじめに、牛乳たくさん飲んだり、
手足の伸びる体操したりしましたが、身長も指も、ぴたりとも伸びませんでした。
よよよ。)
がむしゃらに音楽を追い求めるほどに、
「自分には○○がないからうまく行かないんだ」と
思う傾向は年々強くなり、
その後も、「憧れのあの人は持っているのに、私は持っていないものリスト」は
どんどん長くなりました。
○外人、とくにアメリカ人、またはイギリス人であること
○または黒人であること
○肺活量が多いこと
○顔が小さいこと
○鼻が高いこと
○魅力的な声を持っていること
○腕が長いこと
○痩せていること
○胸が大きいこと
○絶対音感を持っていること
○素晴らしい曲が書けること
○家族が音楽家であること
・・・・etc.etc.etc…..
中には「なんでやねん」なものもたくさんありますが、
当時の私にとってはすべてが、
「お前には無理だ」と言っている気がしました。
さまざまな要素の組み合わせが
1人のアーティストや、ミュージシャンの個性や価値をつくります。
一見何もかもを持っているかのように見えるアーティストが、
実は、大変なコンプレックスを抱えて、心を病んでしまったり、
ルックスがとってもイマイチなのに、
驚くような才能を発揮して、一躍スターになる人がいたり・・・
結局、アーティストは、人間は、総合力。
何か一つだけ飛び抜けていることも大切ですが、
それだけでは突き抜けられない。
反対に、ひとつひとつは惜しいんだけど、
いくつかの要素が化学反応を起こして、素晴らしい才能を開花させる人もいる。
私以外の誰かが持っているものではなく、
私しか持っていないものを探して、それを組み合わせてみよう。
そんな風に発想を転換してから、
人生はずいぶん生きやすく、楽しくなりました。
桜の季節です。
自分が持っていないものの棚卸しは、もうそろそろやめにして、
持っているものを徹底的に棚卸ししてみませんか?
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