ショートカットでいこうっ!
15年以上前のことになりますか。
買ったばかりの音楽制作ソフト=Logicを勉強しようと、
付属の電話帳のように分厚いマニュアルを、
マーカー片手に、必死に読んでいました。
最初の10~20ページくらいで、早くも私の低CPUの脳みそが混乱しはじめ、
『Logic Pro X for Macintosh徹底活用ガイド』などの本を手がける、
作曲家で著述家の高山博さんに、
「いやー、私、Logic、無理かもです」と電話で訴えたところ、
「あぁ、そんなんあかん。それ、挫折するパターンやわ。」と、
すぐさま、我が家にやってきて、
さくさくさくっと、必要なことだけを明快にレクチャーしてくれました。
難しい用語は一切なしです。
なんでそうなるか、とか、複雑なしくみも、なんにもないのです。
ただ、「こういうことをしたいときは、これとこれをクリック」
「必要なデータは全部ここで見られるから、大丈夫」
みたいな、いわば、
レスキュー隊の訓練みたいなレクチャーだったと記憶しています。
あまりに的確で、簡潔で、
私の苦手意識など、つけいる余地はありませんでした。
そうやって、手を動かしながら教えてもらっているうちに、
「そっか!」と気付けたのです。
クリックを出す。
ドラムやベースやピアノを打ち込む。
それぞれのデータのタイミングを合わせる。
間違った音は修正する。
適当に切り貼りして曲の構成をつくる。
そこに歌を乗っけて、ざっくりミックスして、落とす。
それが、私自身のアレンジ能力や音楽的な作業力の限界です。
Logicにできることはあたしの音楽能力をはるかに超えている。
やりたいことができればいいのだ。
それ以外のことは、知らなくていいのだ。
いつか音楽的な要求が生まれて、
あ、こういうこともやりたい、と思った時に、
また新たなスキルを学べばいいのだ。
当たり前なのに、なんだか、そういうショートカットが苦手です。
いや、苦手な人って多くないか?
「音楽はお好きですか?」と聞くと、
「いやいや、僕は譜面も読めないんですよ」という人がいて、
英語で質問されると、
正しい文法を思い出そうと押し黙ってしまい、
しゃべる機会を逸してしまう人がいる。
スマホは難しいから手を出さないという人がいて、
ステップの踏み方がわからないから、ダンスなんか無理という人がいる。
いやいや。
違う。それじゃダメ。
音楽が好きなら歌えばいいし、
楽器だって適当に触って出したい音を探したらいい。
しゃべりたいから英語があるんで、
伝えたいことを伝えるのに必要なのは、
文法や単語よりも、今、何を伝えたいかという、その内容そのもの。
スマホは手を出さなきゃつかえるようにならないし、
ダンスだって、踊ってみなくちゃ、なにが必要なのかわからない。
「これをやりたい」が一番最初。
やってみる。最短でできる方法を探してみる。
方法を探すうちに、何をやりたいかを見失うなんて、機会損失もいいところ。
全部を網羅して分かろうとする必要はないし、
なんにもわからなくても、やってみることを怖れちゃいけない。
いつでも人よりも1歩前を行く人って、
「やりたいこと」と同じくらい、
「やる必要のないこと」をちゃんとわかっているのでしょう。
もうさー。
くそまじめに、なんでもかんでも直球勝負しているほど人生長くないんですわよね。
ショートカットでいきましょう!

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