「もっと心をこめて歌ってよ」!?
「歌は心」的な話は苦手です。
心をこめて歌おう、
情感たっぷりに歌おうとがんばるほどに、
表現がわざとらしく、
「がんばって歌っている」印象になってしまう。
歌に心をこめようと、がんばる必要はないんです。
歌は心が歌うもの。
心がない歌なんて、人間に歌えるわけがありません。
それでも、なんでも、世の中には、
「もっと心をこめて歌ってよ」とか、
「うまいばっかりで、感情がこもってないんだよ」とか、
言っちゃう人がいるからややこしい。
心をこめて歌っていないように聞こえるのは、
表現方法がわからないから、
つまり、いわゆる「表現力」がないからです。
表現力がないのに、やたら感情的に歌おうとすれば、
歌はただくさ〜く、くど〜くなってしまう。
これは、文章で言うとわかりやすいでしょう。
表現力というのはボキャブラリー。
ことばの選び方のセンスやテクニック。
心をこめないからつたわらないんじゃなくって、
伝える手段を持たないから伝わらないのです。
それなのに、
「心をこめて書けば伝わるのだ」とばかり、
手書きで筆圧を上げて書いたり、
同じ文章を何度も繰り返し書いたりすれば、
ただ、くどいだけ。くさいだけ。
だから、
「感情が伝わらない」と言われたら、
やるべきことは、感情的に歌うことではなく、
伝わる表現を学ぶこと。
今の自分の感情を伝えるのに、
最もしっくりくる表現を選び取ること。
では、そのために何をするか?
「この人の歌を聴くと感動する」と、
自分が(これ、重要)心から思う人を選び、
その人の歌の表現を徹底的に研究すること。
「このフレーズ、悲しい」と思ったら、
なぜ、悲しいと感じるのか?
メロディの歌い方か?ことばの置き方か?声か?
・・・と、
考える。感じ取る。真似てみる。
これに尽きます。
どんなに描きたい風景があっても、
引き出しの中に
自分の表現に必要な絵の具が入っていなければ、
思うような絵が描けるわけはありません。
表現力を磨く努力をしなければ、
どんな思いも伝わりません。
自分の心はどんな音を奏でたいのか、
心に聴きながら、
徹底的に表現力を磨いてくださいね!
◆ 一から歌を学びたいという方にも、基礎を見直したいというプロの方にも。オンラインのお得なBasic3パック。
◆【ヴォイトレマガジン『声出していこうっ!me.』】
ほぼ週1回、ブログ記事から、1歩進んだディープな話題をお届けしているメルマガです。無料登録はこちらから。バックナンバーも読めます。
関連記事
-
-
自分の「サイズ」に合った声を出す
管楽器ほど、 一目見ただけで音色の想像がつく楽器もないでしょう。 大きさ通り、見 …
-
-
50分の2の法則
「世の中の“おもしろいヤツ”、“デキるヤツ”の存在確率は50分の2である。」 高 …
-
-
緊張に打ち克つ。
多くの人に相談される悩みのひとつに、 「人前に出ると緊張してしまって、声が出なく …
-
-
ヴォーカリストのための「練習の3つのコツ」
プライベートレッスンでも、MTL12でも、そして音大でも、 クライアントやアーテ …
-
-
迷う余地なく行動できるよう自分を追い込む
あれは中学生くらいのことだったでしょうか? 新しい学年がはじまると …
-
-
みんな勝手なこといいやがる。
今でこそ、プロアマ、セミプロ問わず、 「アーティスト」なんて、 定義のふわっとし …
-
-
「いいね」が消えた日。
他人の評価なんか気にするな。 自分で自分をどう思うかが大切なんだ。 数字のゲーム …
-
-
「プロになりたい」って一口に言ってもね・・・
少し前、若手売れっ子ドラマーがインタビューで、 「ドラムを始めたときから、歌バン …
-
-
We Gotta Get Out Of This Place!
夢中で毎日を過ごすうちに、気づけばずいぶんおとなになっていた。 あまりにもずっと …
-
-
エネルギーのピークは本番に持っていく
「歌う当日って、どんなことを心がけたらいいですか?」 という質問をよく受けます。 …
- PREV
- 上達するためのプロセス
- NEXT
- 音楽は化学反応だ!
