声の印象を変える?
声は人の印象を決める上で、とても大切な役割をしています。
ある研究によれば、人は声だけで、
その声の主の年齢を±5才の誤差で言い当てるそうです。
実は、コツさえつかめば、声の印象を変えるのは、驚くほど簡単です。
呼吸を整えて、声帯をしっかりと鳴らし、
ノイズや息漏れを取り除くだけで、とたんに声の印象が若く、ハツラツとします。
さらに声を前に出すように、くっきりと話せば、自信が感じられますし、
高い声で話せば若く、低音を鳴らせば、おとなっぽい響きになります。
鼻にかかるような声は、甘えた印象を、
胸まわりに響けば威厳を、
息をまぜれば、セクシーな雰囲気を・・・
発声に関わる筋肉を自在に操れれば、どんな声でも想いのままです。
しかし!
大切なのはここからです。
人は、その人の声が自然な声なのか、つくり声なのか、
本能的にわかってしまうもの。
なんかわざとらしい。
無理してる。。。
巷の「話し方レクチャー」にあるような、
「TPOにあわせて声を変える」的、小手先のテクニックでは、
即座に、お里が知れてしまいます。
上手な歌い手と、人を感動させる歌い手は、決定的に違います。
お芝居を上手にやっている役者と、その役の人生を生きている役者は、
全く別物です。
よほどの達人でない限り、
一般の人が、ちょちょいのちょいで声色を変えて、
自分の印象を変えようなどということはしない方が無難でしょう。
ちなみに、「生まれながらの女優」と言えるような、
人の心を自在に操ってしまう魔性の女はこの限りではありませんが。。。
私は、「本番までは、声に徹底的に意識を向け、
いろいろな声を思いきり出して、めいっぱい練習しましょう。
そして、本番はすべて忘れて自由に挑んでください。」と指導しています。
ボイトレをすると、声は確実によくなります。
トレーニングによって、使われていなかった筋肉の感覚が目覚め、
こわばっていた筋肉が活性化し、
やがて、より効率のいいフォームとともに、
筋力や筋肉のコントロール力、反射力がついていくためです。
つまり、意識しなくても、自然にいい声が出るように、
発声のフォームや、全身の効率が変わるのです。
トレーニングの結果が出るのは、早ければ3~4週間、遅くても5~6週間。
焦らず、地道にトレーニングを積めば、
付け焼き刃のテクニックで出す声の何倍も、
人の心を動かすことができるはずです。
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