上達と進歩は一瞬でやってくる!
どんなに練習しても、ちっともうまくならない・・・
そんな時はだれだって、心が折れそうになります。
歌や楽器だけじゃありません。
勉強も仕事も、一所懸命、長い時間をかけて取り組んでいるのに、
前に進んでいる気がしない。ちっとも先が見えない。
これからどうなるのか。
いつになったらうまくいくのか。
本当にいつかはうまくいくのか・・・。
次から次へとネガティブな気持ちが襲ってきて、
苦しくて居ても立ってもいられなくなる。
何かに真剣に取り組んだことのある人なら、
だれでも経験のある気持ちです。
ここで心折れて、挫折する人が圧倒的に多い。
そして、その先ずっと、挫折感や苦手意識を抱えたまま生きることになります。
上達や進歩は一朝一夕には起こらない、と言われます。
それは確かにその通りです。
しかし、多くの人は、同時に、
上達や進歩は、なだらかな曲線を描きながら起き、
日々、実感できるものであるべき・・・と期待してしまう。
実は、この「実感できる」がくせ者なのです。
できなかったことができるようになるまでには、
頭の中で、いろんな葛藤や学習、変化が起きます。
「ダメダメ、そうじゃないっ!」と、間違えそうになるたびにブレーキをかける。
「ここ?こんな感じ?それともこんなの?」と、感じたことのない、
新しい感覚を呼び覚まそうと、試行錯誤を繰り返す。
さらに、はじめは偶然行き当たった成功感覚を、今度は定着させるまで、
微調整に微調整を重ねる。
つまり、変化はず〜〜っと見えないところで起き続けているのです。
その変化が、あまりにも微少なので、起きていることに気づけないだけです。
気づく力も実力のうち。
実はこの、試行錯誤と微調整の過程で、
微細な変化を感じ取るアンテナも同時に育っています。
脳と知覚、感覚と筋肉。
このバランスが取れないから、変化が実感できない。
進歩している感じがしないわけです。
それらすべてが、流れるように働く瞬間、
カラダの細部まで繋がっている感覚は、
突然、そう、驚くほど突然訪れます。
つまりなだらかな曲線ではなく、ずどんと直角に上がるように、
進歩が実感できる「瞬間」が訪れるのです。
この「瞬間」まで、耐えて、耐えて、ひたすら続けるしかない。
これは、どんな仕事でも同じではないでしょうか?
進歩や変化は見えないところで起きているのだと肝に銘じる。
ただ自分に感じられていないだけなのだと信じる。
続けられる人だけがその「瞬間」を手に入れることができる。
そう信じて、今日も進ムノデス。
ただひたすら、進ムノデス。
関連記事
-
解剖学の本から『笑筋』が消える日?
うまく笑えない子が増えている。 「にっこり笑って」と言われて、前歯をきらりと見せ …
-
仕事が嫌ならいつでもリセットすればいい
レコーディングの仕事に呼ばれるようになったばかりの、 駆け出しのころ。 現場の雰 …
-
「あきらめない」というチカラ
年越しに寄せて。 今年、私が学んだ一番大切なこと。 それは、「あきらめない」とい …
-
自分の耳は自分で磨く
歌えないから聞こえないのか? 聞こえないから歌えないのか? ニワトリと卵のような …
-
言い訳のない歌を歌う~Singer’s Tips #24~
「今日はちょっと調子悪くて」 「最近ちょっと歌えてなかったから」 「自分、まだま …
-
「おかあさん声」の主は・・・
昨日、近くのストアにお買い物に行ったときのとこです。 商品に見入る私の横で、親子 …
-
まずは母音の発音をチェックする
子音の発音は歯を使ったり、舌を使ったり、 結構難しいけど、母音は誰でも簡単に発音 …
-
ボイストレーナーになるということ
先日、知人のライブを見に行ったときのことです。 ひとり、ライブ開始を待っていると …
-
雑念チェーンをぶった切る!
練習や課題に集中できないとき、どうしていますか? 凡人には雑念がつきものです。 …
-
ぶっ壊すことを恐れない。
CMの作詞のお仕事を依頼されたときのことです。 某大企業のCMの歌詞を書かせてい …
- PREV
- 「歌う環境」をつくる。
- NEXT
- 変声期