大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

上達と進歩は一瞬でやってくる!

   

どんなに練習しても、ちっともうまくならない・・・

そんな時はだれだって、心が折れそうになります。

歌や楽器だけじゃありません。

勉強も仕事も、一所懸命、長い時間をかけて取り組んでいるのに、
前に進んでいる気がしない。ちっとも先が見えない。
これからどうなるのか。
いつになったらうまくいくのか。
本当にいつかはうまくいくのか・・・。

次から次へとネガティブな気持ちが襲ってきて、
苦しくて居ても立ってもいられなくなる。

何かに真剣に取り組んだことのある人なら、
だれでも経験のある気持ちです。

ここで心折れて、挫折する人が圧倒的に多い。
そして、その先ずっと、挫折感や苦手意識を抱えたまま生きることになります。

上達や進歩は一朝一夕には起こらない、と言われます。

それは確かにその通りです。

しかし、多くの人は、同時に、
上達や進歩は、なだらかな曲線を描きながら起き、
日々、実感できるものであるべき・・・と期待してしまう。

実は、この「実感できる」がくせ者なのです。

できなかったことができるようになるまでには、
頭の中で、いろんな葛藤や学習、変化が起きます。

「ダメダメ、そうじゃないっ!」と、間違えそうになるたびにブレーキをかける。

「ここ?こんな感じ?それともこんなの?」と、感じたことのない、
新しい感覚を呼び覚まそうと、試行錯誤を繰り返す。

さらに、はじめは偶然行き当たった成功感覚を、今度は定着させるまで、
微調整に微調整を重ねる。

つまり、変化はず〜〜っと見えないところで起き続けているのです。

その変化が、あまりにも微少なので、起きていることに気づけないだけです。

気づく力も実力のうち。

実はこの、試行錯誤と微調整の過程で、
微細な変化を感じ取るアンテナも同時に育っています。

脳と知覚、感覚と筋肉。

このバランスが取れないから、変化が実感できない。
進歩している感じがしないわけです。

それらすべてが、流れるように働く瞬間、
カラダの細部まで繋がっている感覚は、
突然、そう、驚くほど突然訪れます。

9757806_sつまりなだらかな曲線ではなく、ずどんと直角に上がるように、
進歩が実感できる「瞬間」が訪れるのです。

この「瞬間」まで、耐えて、耐えて、ひたすら続けるしかない。

これは、どんな仕事でも同じではないでしょうか?

進歩や変化は見えないところで起きているのだと肝に銘じる。
ただ自分に感じられていないだけなのだと信じる。

続けられる人だけがその「瞬間」を手に入れることができる。

そう信じて、今日も進ムノデス。

ただひたすら、進ムノデス。

 - 未分類

  関連記事

ぶっ壊すことを恐れない。

CMの作詞のお仕事を依頼されたときのことです。 某大企業のCMの歌詞を書かせてい …

無責任なコメントに心乱されない

まだ学生の頃だったでしょうか。 通りがかりの野外ステージでやっていた、公開オーデ …

ポジティブな面にフォーカスする。

「今の、自分ではどうだった?」 そんな質問を、歌い終えたばかりの生徒に投げかける …

no image
声の印象を変える?

声は人の印象を決める上で、とても大切な役割をしています。 ある研究によれば、人は …

肉体は変化する

ずいぶん前のことになります。 クラプトンのコンサートのチケットがあるからと、 友 …

no image
「好き嫌い」と「興味」は別物です。

大学のようなところで教えていると、 生徒たちに学んでほしい歌、教材にふさわしい曲 …

no image
自分の耳は自分で磨く

歌えないから聞こえないのか? 聞こえないから歌えないのか? ニワトリと卵のような …

no image
芸事や勉強を長続きさせる秘訣

芸事や勉強は恋愛と同じです。 どんなに,「ためになるから」、「将来、役に立つから …

no image
「やる気」を引き出す3つの方法

まれに、「やる気のない生徒にボイトレをする」という、 謎の事態に遭遇することがあ …

no image
ボイストレーナーになるということ

先日、知人のライブを見に行ったときのことです。 ひとり、ライブ開始を待っていると …