大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

変声期

   

昨日は12~16才の男の子ばかり、8名のボイトレを担当しました。

17才くらいから20才にかけて、
主にメンタル面でデリケートな(めんどくさい)お年頃を迎える女の子に対し、
男の子は、実はこの期間が、ボイトレ的に一番デリケートです。

変声期があるからです。

女子が初潮を迎えておとなになるように、男子は変声期を経ておとなになるものと、
あたりまえのように言われていますが、
ではこの変声期、実際、どういうことが起こっているのか、
どう対処すればいいのか、一般的には驚くほど知られていません。

この変声期を経て、男子の声帯の長さは倍近くになります。
つまり、単純に言えば、音域が1オクターブ下がるのです。

ことばで書くとシンプルですが、声帯を唯一の音源とする人間のカラダにとって、
「長さが倍になる」というのはとんでもない変化です。

想像してみてください。

ある朝起きたら、指の長さが突然倍になっていたら?
それまでと同じようにピアノを弾けるでしょうか?

フレットの幅が倍あるギターをいきなり渡されて、
その場で流れるように演奏できますか?

そう。その大きな変化のせいで、
男子の、発声器官の筋感覚は大きく狂ってしまうのです。

男性に自称・音痴が多いのも実はこのせいです。
一度狂った筋感覚を取り戻せないままおとなになる。
声変わり後に人前で歌って笑われた経験がトラウマになってしまう人もいます。

変声期をどう乗り越えるか、
乗り越えた後に、自分の声とどう向かい合っていくか、
ボーカリスト男子たちにとって、大きな課題です。

昨日のお仕事の準備で、再度、変声期について調べていたら、
とても興味深いyoutubeをみつけました。

NHKの制作したレコードをアップしたもののようです。

あまりにも面白く、かつまた勉強になるので、こちらにリンクを貼ります。
興味のある方は是非見てみてくださいね。
(6分割されています)

 - 未分類

  関連記事

no image
「からだレベル」でグルーブを感じる

8ビートは4分の4拍子の8分音符が8つで、16ビートはその倍で・・・ アクセント …

あなたの呼吸、大丈夫ですか?

最近、息切れがする。 話をしてても、途中で、息苦しくなる。 年かなぁ・・・ そん …

no image
「お前よぉ、いい気になれよ」

かつてツアーのお仕事をした男性タレントのアンディーさん(仮名)が、 打ち上げの席 …

no image
仕事が嫌ならいつでもリセットすればいい

レコーディングの仕事に呼ばれるようになったばかりの、 駆け出しのころ。 現場の雰 …

no image
自分のチェック機構を磨け!

「ちゃんと練習したんですけどね・・・」 ちっとも上達していないことを指摘されて、 …

no image
聴覚 視覚 筋感覚

歌がうまくなりたい、いい声になりたい、と思うなら、 研ぎ澄ましたい感覚が3つあり …

no image
「おかあさん声」の主は・・・

昨日、近くのストアにお買い物に行ったときのとこです。 商品に見入る私の横で、親子 …

「仕事を舐めれば、仕事に舐められる。」

少し前のこと。 生徒のひとりが、 「先輩にデモの仮歌を頼まれて、 昨日レコーディ …

no image
反面教師という大切な存在

「こんなピッチの悪い歌をわざわざ持ってきて、人に聴いてくださいって言える神経がわ …

no image
上達のキーワードは「イメージ力」

歌は、誰かに教われば上達するというものではありません。 もし、有能なトレーナーに …