自分の耳は自分で磨く
歌えないから聞こえないのか?
聞こえないから歌えないのか?
ニワトリと卵のような問題です。
音の細部が聞き取れないから自分の歌のどこが悪いのかわからない。
お手本と自分の歌の違いがわからないから修正できない。
歌えないからジャッジも甘くなる。
音楽の世界では音の細部が聞き取れないことや、
音の善し悪しがわからないことを「耳が悪い」と言いますが、
悪いのはもちろん耳じゃありません。
これは絶対的な習慣と、学習量の問題なんです。
いつも言うように、今日も、
世界的に見ても一握りしかいない天才の存在は、とりあえず忘れましょう。
自分の歌をジャッジする能力がないことを、
「生まれつき」のせいにするなら、一生歌は上達しません。
自分の耳や判断力を育てたいと真剣に思うなら、
やれることはいくらでもあるはずです。
そもそも耳が悪いと思うなら、今の時代、耳だけじゃなく視覚に頼る方法があります。
音程が悪いなら、クロマチックチューナーを手に入れて徹底的に修正すればいいし、
リズムが悪いなら、音楽ソフトを使って歌を録音して、波形をチェックすればいい。
そもそも、お手本との違いがわからないというのなら、
マルチトラックを使って、お手本と並べて歌って徹底的に聞き比べればいいし、
音量だって、音程だって、リズムだって、
やりようによっては倍音(つまり音質)でさえ、
今の時代、その気になれば歌を視覚化することはいくらでも可能です。
そこまでやらないまでも、
音程のチェックに楽器を使う。
メロディやリズムが今ひとつ見えないなら、ちゃんと楽譜を起こしてみる。
音のよくわかる人に、時間をかけてアドバイスをもらう。
英語なら、発音記号をきちんとひとつずつ確認してみる。
そんなことをひとつひとつ、
悩みながら試していくうちに、少しずつ、いろんな音が聞こえるようになる。
歌のテクニックが身につく。
そうやって正解にたどりつくしかないんです。
誰かが正解を与えてくれることに甘んじていたら、
一生、誰かの手のひらの上で、バーチャルな人生を哀れむことになりかねません。
習慣を変えるのは勇気です。
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