ポジティブな面にフォーカスする。
2015/09/04
「今の、自分ではどうだった?」
そんな質問を、歌い終えたばかりの生徒に投げかけることがあります。
ほとんどの答えは、
「全然、だめでした」
「あ、ちょっと音程はずれちゃって・・・」
というようなネガティブチェック。
もちろん、自分を冷静に分析したり、自己反省する態度も、時には必要です。
しかし、人間、ネガティブチェックばかり続けていると、
だんだんと自信がなくなってくる。

「自分はこのままじゃいけない」と思い詰めるあまりに、
お手本通りの、つまらない歌を歌うようになっていく。
自分という人間の表現の一環として歌っているはずなのに、
それでは本末転倒です。
Nobody’s Perfect。
完璧な人間なんていません。
どんな人間だって、
自分が持っているものよりも、自分に足りないものを探す方が、
数段簡単なはず。
しかし、自分が持っていないものを数え上げることは意味が無いんです。
1.自分だけが持っているもの。
2.自分にとって価値のあるもの。大好きなもの。
3.得意なもの。
フォーカスすべきは、そんなポジティブな面です。
自分のポジティブな面を磨く。極める。
それこそが自分の表現であり、パフォーマンスなのです。
その道の途中に横たわる問題こそが、取り組むべき問題です。
ネガティブな要素を排除してパフォーマンスの平均点を上げようとするよりも、
ポジティブな面を徹底的に伸ばして、きらりと光る存在になること。
そんなパフォーマーになって欲しいと思うのです。
関連記事
-
-
「今さらそんなことして、どうするつもりなの?」
思わず口をついてでることばには、 その人が日頃、何を信じているかが反映されます。 …
-
-
本気でうまくなりたいなら、まず、黙って聴く。~Singer’s Tips #20~
シンガーを志しているという人に、 どんな練習をしているのかと聞くと、 多くの人が …
-
-
反面教師という大切な存在
「こんなピッチの悪い歌をわざわざ持ってきて、人に聴いてくださいって言える神経がわ …
-
-
がんばり方は教えられません。
何年か前のこと。 レッスンにやってきた学生があきらかに練習した形跡がないので、 …
-
-
「うちの子、音楽で食べて行かれるのでしょうか?」
まもなく成人式。 今年、新成人となる前途洋々の若者たちも、たくさんいることでしょ …
-
-
どんなに優れたアイディアも、 形にならなければ存在しないも同然
昔読んだ本に、「完璧主義のぐず」ということばがありました。 とにか …
-
-
「やりたい」から、やる。以上。
やりたいと思ったら、もうできる気しかしなくなる。 こどもの頃からの、私の思考のク …
-
-
「向いてない」って、なんだよ?
つい数日前、はじめて訪れた耳鼻科の先生に、 「この声帯の形からすると、あなた、 …
-
-
「いい仲間」いますか?
近年の私しか知らない人には全く信じてもらえないようですが、 かつての私の自信のな …
-
-
オーディションに失敗したくらいで、いちいち落ち込んでる暇なんかないのだ。
長年業界におりますが、 いわゆる「オーディション」を受けたのは2回だけ。 2度と …
- PREV
- 「こんなもんでいいか」の三流マインドを捨てる!
- NEXT
- 多感なこどもたちにジョークは通用しない
