大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

ポジティブな面にフォーカスする。

      2015/09/04

「今の、自分ではどうだった?」

そんな質問を、歌い終えたばかりの生徒に投げかけることがあります。

ほとんどの答えは、
「全然、だめでした」
「あ、ちょっと音程はずれちゃって・・・」

というようなネガティブチェック。

もちろん、自分を冷静に分析したり、自己反省する態度も、時には必要です。

しかし、人間、ネガティブチェックばかり続けていると、
だんだんと自信がなくなってくる。
28919296_s

「自分はこのままじゃいけない」と思い詰めるあまりに、
お手本通りの、つまらない歌を歌うようになっていく。

自分という人間の表現の一環として歌っているはずなのに、
それでは本末転倒です。

Nobody’s Perfect。
完璧な人間なんていません。

どんな人間だって、
自分が持っているものよりも、自分に足りないものを探す方が、
数段簡単なはず。

しかし、自分が持っていないものを数え上げることは意味が無いんです。

1.自分だけが持っているもの。
2.自分にとって価値のあるもの。大好きなもの。
3.得意なもの。

フォーカスすべきは、そんなポジティブな面です。

自分のポジティブな面を磨く。極める。

それこそが自分の表現であり、パフォーマンスなのです。
その道の途中に横たわる問題こそが、取り組むべき問題です。

ネガティブな要素を排除してパフォーマンスの平均点を上げようとするよりも、
ポジティブな面を徹底的に伸ばして、きらりと光る存在になること。

そんなパフォーマーになって欲しいと思うのです。

 - 夢を叶える, 未分類

  関連記事

「○○っぽくないね。」と言われたときこそ、チャンス。

ハードなロックシンガーを目指しているのに、 「癒やし系だね」などと言われたら、 …

死ぬほどしんどくなるくらい、やりたいこと。

音楽の道って、なんて苦しいんだろうって、 思っている人、たくさんいますよね? 歌 …

「やりたい」から、やる。以上。

やりたいと思ったら、もうできる気しかしなくなる。 こどもの頃からの、私の思考のク …

まだやれるから悔しい。 まだ行けるから苦しい。

音楽で食べていかれるかどうか。 そんなことを本気で心配し始めるのは、 大学や音楽 …

「所詮同じ人間」という前提に立つ。

誰かにできて、自分にできないことを、 生まれや育ちの違いのせいにしてしまうのは、 …

「大学って夢をあきらめるために来るところなんですよね?」

夢と希望に胸を膨らませて日本全国からやってくる学生たち。 入学の時の夢は、 「自 …

no image
歌の試験の採点基準って?

学校のようなところで教えていると、試験というものがつきものです。 いわゆる前期試 …

心のノイズを打ち消して、ただがむしゃらに進むのだ

こんなこと、やってみたい! こんなこと、やったらどうだろう!?   そ …

人生の値段、おいくらですか?

おとなになってから、自己投資をいくらしたかが、その人の価値を決める。 そんなこと …

no image
絶対的なクオリティしか口コミは起こせない

最近フリーで仕事をしたいという人が増えているようです。 時間に縛られない。 好き …