ノドだけ労わりゃいいってもんじゃないので。
秋はスケジュールの動くときです。
勝負をかける大きなイベントを秋に持ってくるアーティストもたくさんいますし、
学園祭ツアーに出かけたり、
年末のイベントや、年明けリリースのレコーディング準備に追われたり・・・
なにかと身辺が動くときほど、レッスンに身が入るのは、
一般人でも、アーティストでも同じです。
気力充実、スケジュールぱつぱつで、生き生きとレッスンにやってきます。
(おかげさまで、私のレッスン表も番組表のような状態になっています(^^))
こんなとき、アーティストのみんなに必ずする警告があります。
「とにかく、カラダの声を聞け!」です。
気が張っているときは、カラダの信号に無頓着になりがちです。
つねにスタッフやファンに囲まれているアーティストたちは、
充実感で空でも飛べるような勢いで仕事をこなしていきます。
でも、ちょっと待って。
空、飛べませんよね?
ちゃんと寝てますか?
カラダの緊張、溜めすぎてないですか?
休養、栄養、気を配れていますか?
「大丈夫です」とみんな言います。「なんとかなります。」
なんとかするのが仕事なのはわかっています。
私もそうしてきたし、そう教えています。
そして、みんなマスクして、加湿器使って、お水を飲んで、
のど飴やノドにいいお茶を飲んで、はちみつなめて、
「ノドは可能な限り、労っていますから」と言うんです。
でもね、声帯さまは単独のマシンではないでしょ?
全身が疲れていれば、同じだけ疲れる。
全身が緊張していれば、同じだけ緊張する。
そんな状態で、他のカラダのどこよりも酷使されるのは声帯さまだということを
忘れないで。
無理を続けると、必ず、歪みが起きます。
何度も言うけど、声帯さまはわずか1.5㎝~2㎝ほどの小さな、超デリケートな組織。
一度壊してしまったら、回復にはそれなりの時間がかかってしまうんです。
栄養は休養とセットにならないと効果を発揮しません。
睡眠時間と、リラクゼーションタイムは、
どんなときにも、ちょっとくらい無理しても絶対の絶対に捻出してください。
だいたいさぁ、みんなのスケジュール聞いてると、
その時間はなに?みたいの、ありますよ。
そこ、ちょっと効率化できないの?みたいな。
本人たちだけじゃなくって、スタッフの方たちにも、
是非是非心砕いていただきたいポイントです。
ひとつ、よろしく!!!
関連記事
-
-
「妥協点」と「落としどころ」は決定的に違う
複数の人とクリエイティブな作業をしていると、 必ず、意見が分かれるときがあります …
-
-
肉体は変化する
ずいぶん前のことになります。 クラプトンのコンサートのチケットがあるからと、 友 …
-
-
孤独を怖れず、自分自身と向き合う。
あっという間に4月。 音大の新学期が始まりました。 キラキラと目を輝かせている新 …
-
-
本番に強くなるマジックワード!?
「あんなにリハーサルうまく行ったのに・・・」 「どうして本番になると、いつもボロ …
-
-
「やる気」を引き出す3つの方法
まれに、「やる気のない生徒にボイトレをする」という、 謎の事態に遭遇することがあ …
-
-
ぶっ壊すことを恐れない。
CMの作詞のお仕事を依頼されたときのことです。 某大企業のCMの歌詞を書かせてい …
-
-
1年前の、1年後の自分との距離感。
1年という時間はあきれるほど速く流れて行きます。 その速度は生きた年月に比例して …
-
-
技術によって人間は進歩するのか、退化するのか?
技術によって人間は進歩するのか、退化するのか? はじめてレコーディングのお仕事を …
-
-
戦いに勝つのは、最後まで立っていたヤツ
人の戦い方はいろいろです。 100メートルを軽やかに駆け抜けて、 真っ先にテープ …
-
-
ピッチの悪い歌が致命的な理由
音楽はピッチ(音の高さ)という概念があるから成立するもの。 どんなにリズム感がよ …