ドアを叩け。叩き続けろ。
「一流になりたかったら一流とつきあえ」
そんな風に教わったことがあります。
「一流のまわりには一流しかいない。
自分自身のスタンダードを変えないと、けして人生のステージは上がらない」
そんなこと言われてもね。
一流のまわりには一流しかいないなら、普通の人間は一生その輪の中に入れないじゃん。
まだまだ歌の仕事で一本立ちするなんて夢のまた夢だった駆け出し時代。
CM音楽のプロデューサーアシスタントとして、ロンドンのマトリックス・スタジオでの、レコーディングに立ち会いました。
CMに起用されることになっていた女性シンガー、クリスティに、
「私もいつか、あなたのように、こんなスタジオの真ん中で歌ってみたいの」と言うと、彼女はこう言いました。
「音楽業界の中に入るのって、社交クラブに入るようなものよ。
最初は相手にされない。誰も見向きもしない。
それでも、ドアを叩いて叩いて叩き続けると、そのうち誰かが自分の存在に気付いて中に入れてくれるのよ」。
ずっと私を支えてくれたことばのひとつです。
ドアを叩くことをやめて、立ち去ってしまったら、中に入れるチャンスはけして訪れない。
いつ、誰が、どんなタイミングで気付いてくれるかわからない。
でも、その時、その瞬間に、自分は準備OKでいよう。
先日、長年一線でプロデューサー業をしていた友人が、こんなことを言いました。
「結局、運と縁があるかどうかだと思うんだよね」
でも、です。
どんなに運を持っていても、その場所にいなかったら、何も起こらない。
準備できていなかったら、その運を活かせない。縁だって引き寄せられない。
運や縁はコントロールできないかもしれないけれど、
だからこそ、自分でコントロールできることは全力で、精一杯やりきる。
その精一杯のエネルギーが、必ず何かしらの変化や結果を生み出してくれる。
そして、振り切ってがんばるから、最後の1コマを引き寄せられなくても納得できる。
がんばれなかったことを悔やんだり、がんばった人を羨んだりすることもない。
そしてね。
体感的に、本気でがんばると、必ず何かしら結果は出るものです。
でもそれは、ドアを叩き続けた人にしか起きない。
叩くのをやめてしまったら、
そのドアは一生、開かないのです。

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