ねつ造不可能なキャリアを刻む
Webの世界をサーフィンしていると、
昨今は、みんな本当にセルフ・ブランディングが上手だなぁと、
感心してしまいます。
ファッションやヘアメイクのセンスもいいし、
セルフィも上手なら、写真のチョイスもいい。
HPのデザインもカッコいいし、
日頃の活動や、お洒落なライフスタイルなど、
自己発信もとても上手。
自分が発信するメッセージが、
自分という人間の印象を決めるということを、
よく理解している人が実に多いのです。
人に信用されたり、
興味を持ってもらったりするためには、
まずは第一印象、イメージが大切だと考えると、
セルフブランディングのセンスを磨くことは、
フリーの人や、自営の人にとって、
非常に大切なポイントであることは間違いありません。
さて。
「こうありたい自分を演出する」
「人にこう見られたい自分を演出する」
というのは、
ありのままの自分という人間の日常の中から、
あるイメージに合った特定の部分を切り取って、発信すること。
けして写真を加工しまくったり、
お化粧を塗りたくったりすることではないし、
すかすかの経歴を思いっきり膨らましたり、
できもしないことを、さもできるように宣伝することではない。
昔、とあるダンサーのオーディションに、
「マイケル・ジャクソンのPVに出ていた」
という女性が応募してきたことがあったそうです。
当然、書類選考は、一瞬でパス。
なんといっても、マイケル・ジャクソンのダンサーです。
どんなに素晴らしいダンスを披露してくれることか・・・
ところがです。
最終選考に登場した彼女はろくに踊れない。
怪訝に思ったスタッフが
「本当にマイケルのPVに出ていたの?」とインタビューすると、
「もちろん!マイケルと一緒に歩いたのよ」と答えたそうです。
これでは、ブランディングを越えた誇大広告です。
もちろん、受け手にも問題はありますが、
ダンサーのオーディションに、
踊れない人が来るなどとは思わないのが普通です。
結局、最後はリアルな自分自身の勝負なのです。
見せ方の技術を磨くのも大切ですが、
本当に磨くべきなのは自分自身。
けしてねつ造のできない、自分自身のキャリアです。
リアルな現場に出れば、膨らました経歴は、
一瞬でぺしゃんこにしぼんでしまいます。
一声発すれば、作り上げたイメージも、
一瞬にして「素顔の自分」という実像に取って代わります。
人は本能で相手の真贋を感じ取るもの。
かっこよさそうなこと、偉そうなことをどれだけ言っていても、
リアルに、「あれ、なんかしょぼい」と思われたらアウトです。
自分という人間はけしてねつ造できないのです。
だから、自分という人間のイメージを膨らましたいなら、
とにかく、何がなんでもがむしゃらに、
リアルな世界と関わって、本当の自分自身を膨らますしかない。
カッコいい自分を切り取りたいなら、
カッコいい自分にならなくてはダメなんです。
声に、ことばに、刻まれるキャリアはねつ造不可能です。
リアルな自分を磨き続けると同時に、
いつも真贋を見極められる感性を、磨いておきたいものです。
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