「なり方」なんて、きっとない。
「普通の人とおなじことしてたんじゃ、何者にもなれないでしょ」
ボイトレに通ってくださっている某大企業の社長さんのおことばです。
なんにもしないで、なし得ることなんかなにもない。
これを可能にするには、なにをすべきか。
どんなことに取り組んでいけばいいのか。
必死に考えて、試行錯誤を繰り返して、ひとつ、またひとつと実現して行く先に、ある日ふと、何者かになっている自分に気づく。
それしかないわけです。
ところが、大多数の人が知りたいのは、「やり方」じゃなくて「なり方」。
「これとこれをすれば、こんな風になれるよ」ってことなんです。
「歌って、どうやって練習したんですか?」
「何才くらいから音楽やっているんですか?」
「どうやってプロになったんですか?」
「スタジオのお仕事って、どうやってはじめたんですか?」
「事務所、入ってるんですか?」
プロヴォーカリストとしてたくさんお仕事させてもらうようになって、一流の方たちともご一緒させていただく機会が増え始めた頃、いろんな人に、そんな風に質問されました。
はじめは、「そっか、みんな私のこと、興味あるのね」なんて、ちょっといい気になったものですが、だんだんと、その真意がわかるようになりました。
帰国子女でも、親が有名人とかいうわけでも、裕福なわけでも、ルックスがいいわけでも、音楽の英才教育を受けたわけでもない。事務所に所属するどころか、オーディションやコンテストに受かったわけでも、(当時はまだ)デビューしたわけでもない。
そんな、ごく普通の私が、どうして歌でお仕事できるのか?
きっとなにか秘訣があるに違いないと、みんな、思ったのでしょう。
同じ頃、学生時代のサークル仲間に偶然出会って、「(某)音楽学校行ったって噂で聞いたけど、やっぱりお仕事紹介してもらえるの?」と唐突に言われたこともあります。
さして目立つ存在でもなかった私のことが噂になっているというのにもびっくりしましたが、なにより「MISUMIは歌の学校に行ったからプロになれたんだ」と、自分自身を納得させている様子の彼女を見て、悲しい気持ちになったものです。
「やりたい」を追いかけ続ける、ごくわずかの、不器用で情熱あふれる人だけが、血だらけになりながらも、キャリアを積み重ね、ステージをのぼっていかれる。
今もそう信じています。
私にはきっと、そんな一所懸命な人の気持ちしか、わからない。
いつまでもそんな自分でありたいし、そんな人たちを全力で応援し続けられる自分でいたい。
そんな想いを新たにする日々です。
本気で歌を志すあなたに、ぜひ受けて欲しい。
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