「テキトー」を「見る価値のある演奏」にする達人の技
音楽は実に奥が深いもの。
クラシックのように、
きっちりとフルにアレンジされた曲を、
1音1打乱れずに再現しつつ、
自分の表現を極めていくもの、
バンドの演奏のように、
ベーシックな曲やアレンジはあるものの、
リハや本番で、何度も繰り返し演奏することで、
曲を育てて行くもの、
そして、ジャズやブルースのように、
ざっくりとしたコード進行と、基本のメロディはあるけれど、
その場の雰囲気やプレイヤーの気分で自由に演奏をして、
そのアイディアやミュージシャン同士の化学反応を楽しむスタイルのもの・・・。
実に色とりどりです。
「自由に演奏する」時のリハーサルは、
びっくりするくらい簡単です。
ライブ当日に、「はじめまして」と顔を合わせることも少なくない、こうしたセッション。
そもそも曲の構成は決まってなくて、
譜面はコード進行だけということも珍しくありません。
「テンポ、どんくらい?普通のシャッフルね。
じゃ、俺から弾き始めるから、歌、テキトーに入って。」
な〜んてバンマスが言ったかと思うと、
いきなり演奏がはじまります。
歌が入ったところが「歌頭」。つまりそっからA。
で、歌の人が 歌い終わったら、
いきなり、「○○さん、ソロ!」などと、誰かにソロを振り、
その人がいい感じでひとしきりソロを弾くと、
「このくらいでどうですか?」的に合図を出して、
それを受けてドラマーがおかずを入れて、
またバンマスが誰かにソロを振るなり、
「歌っ!」と支持するなりして・・・という具合に進んでいきます。
曲のエンディングはいわゆる王道のエンディングというのがいくつかあって、
バンマスやドラムの人の合図にあわせて自然に終わることもあれば、
そこで、一旦演奏を止めて、軽く、打ち合わせをすることもあります。
要は、テンポとエンディング以外は、
演奏しながら、感じをつかんでいくイメージです。
テキトーですね(笑)
で、この「テキトー」こそが、
センスとキャリア、そして、コミュ力の成せる技。
この「テキトー」な演奏を、
お客さんがお金を払って見る価値のあるものにできるかどうかが、
達人たちの腕の見せ所になるわけです。
「テキトー」に弾いても、歌っても、
聞く人に「カッコいいっ!」と感動を与えるには・・・
ひとつひとつのフレーズの完成度もさることながら、
アイディアに満ちた、スリリングな展開に持って行けるか、
バンドの演奏の中で、心地よくグルーヴしているか、
そして、なにより、その瞬間に爆発的なエネルギーを出せるかどうかにかかっています。
リハの時は、ゆるくて、テキトーなんだけど、
本番になると、いきなり豹変するかのように、
エネルギーがドカンと出る人も少なくありません。
音楽の種類は変わっても、
人が感動する、興奮するのは、
スリルとグルーヴ、そしてエネルギー。
大事なのは、やっぱりそこに尽きる。
修行ですな。ほんと。

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