自分のスタンダードを持つ
「プロフェッショナルは自分のスタンダードを持つべし」が私の持論です。
「スタンダード」とは、自分自身の基準のこと。
作品づくりでも、演奏でも、パフォーマンスでも、
プロフェッショナルとして人前に立つ以上、
すべてに自分の落としどころを設定して、
どんなときも、それを下回る仕事はすべきではない、
また、下回らないための努力を怠ってはいけない、というのが私の考えです。
もちろん、毎回毎回、自分の基準を満たせるわけではありません。
うまくいかず、ふがいない自分に落ち込んだり、凹んだりすることは、
しょっちゅうあります。
しかし、その「基準に到達できなかった」という悔しさや情けなさがあるからこそ、
「次」につなげて行けるのです。
「自分のスタンダード」を常に意識することは、
ギャラを支払ってくれるクライアントさんたちや、
見に来てくれる、作品を買ってくれるお客さんたちに対する敬意と誠意であるとともに、
自分自身への敬意、誠意でもあります。
「こんなもんでいいか」と思った時点で、
「自分のスタンダード」は崩壊します。
やがて「所詮こんなもん」と思ってしまうクセになり、
その「こんなもん」が自分自身の実力になるのです。
一流のプレイヤーの方々とご一緒するたび、
彼らの演奏を間近で体験するたびに、
その、「自分のスタンダード」にこだわっていけるかどうかが、
一流と二流の分かれ道なのだと、しみじみ感じます。
実力が上がるほどに、自分を取り巻くミュージシャンのグレードが上がるほどに、
「自分のスタンダード」も上がっていくのが自然。
そうして、エンドレスに、貪欲に、
自分自身を高めて行こうという姿勢が一流の証なのです。
口で言うほど、こうして書くほど、簡単なことではありません。
人間は疲れるし、飽きるし、いい気にもなります。
年を重ねていけば、思わず「こんなもんで・・」となりがちです。
人や自分に甘えちゃいたい時もたくさんあります。
ごまかしのテクニックも長けてきます。
それでよしとするなら、それまで。
それが幸せならば、それもよし。
しかし、誰にわからなくても、自分のことは自分が一番わかるはず。
ある日、自分のスタンダードが完全に崩壊していることに気づくときは、
手遅れかもしれません。
「自分のスタンダード」、持っていますか?
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