「時間を忘れて夢中になる人」だけが、プロフェッショナルとなる
「ボクね、コーヒー飲もうと思って口に入れるでしょ。
で、そのまま機材の調整はじめて、1時間くらいして、トイレに立つわけです。
ふと、自分の口の中になんかあることに気づいて、
洗面所にぺーっと出すと、それが1時間前に口に含んだコーヒーだって気づくんですよ」
プロフェッショナルといわれる人は、まぁ、夢中になる。
ときに、病的に夢中になる。
冒頭は、昨日、とある作曲家&アレンジャーの方が言っていたことばで、
わぁ、ここにも変態がひとり、と思ったのでした。
我が家にも1名、病気系の人がいまして、
たとえば、アレンジでも、作曲でも、TDでも、最近はマスタリングでも、
まぁ、それはそれは、何十時間、何日、何週間も、こだわり倒しています。
同じ曲を再生すること、数百回。
かんべんして〜。。。となりそうになります。
こだわるポイントは、人それぞれ全然違うもの。
端から見ていると、「もうええやんっ!」と言いたくなるのですが、
本人にとっては、そのこだわりが、ある程度腑に落ちないと、
「ちゃんと仕事した気がしない」
「フラストレーションがたまる」
ということなのでしょう。
かくいう私も、まぁ、人から言わせれば「ど変態」。
声のことを調べだしたら、もう何時間、いや、何日でも本やPCに向かっていますし、
文章を書き始めれば、何千字、何万字でも、ノンストップで書きます。
歌のコピーに至っては、一度始めたら、呼吸や音色まで完璧にモノにするまで、
何時間でも夢中になってしまいます。
以前など、
「社長に、この曲を完コピしてこいって言われました。」
と生徒が持ってきた曲のコピーに夢中になるあまり、
レッスン中だということを完璧に忘れてしまって、
はっと我に返って、赤面したことさえありました。
歌でも楽器でも作曲でも、どんどん上達する子は、
時間を忘れて練習や制作に夢中になります。
生活と練習との線引きがない。
「一日何時間くらい練習するの?」と聞いても、
「さぁ・・・空いている時間はずっと練習しているんで」という答えが返ってくる。
ドラムのような楽器だって、練習しようと思えば、
工夫次第で、いつでもできるはずなんです。
先日も、とある育成期間中のアーティストと話していたら、
「今、事務所の仕事で旅が多くて、練習する時間が全然なくて」と言う。
師匠にあたる方について歩いているから、移動続きで、気も使いっぱなし。
一日中人に会っています。
「じゃ、声出せないね」というと、
「はい。せいぜい空き時間にカラオケに1〜2時間行くくらいしかできないんです」
彼は、東京にいれば、暇さえあれば練習している子です。
カラオケ1〜2時間と言えば、大学生なら、立派に
「毎日、ちゃんと練習してますっ!」と胸を張っていう時間。
こういう、日々の意識の違いが、やがて大きな違いとなるのです。
少し前、学生にこんな質問を受けました。
「先生、歌って、一日、何時間くらい練習したらいいんですか?」
「そんな疑問が湧く時点で、キミは向いてない。」
・・・と答えたかどうか、忘れましたが、ま、そういうことです。
関連記事
-
-
説得力のある人は、エネルギー値が高いのだ。
聞く人の心にどかんと飛び込む「説得力あるパフォーマンス」。 はじめてギターを抱え …
-
-
人前に立つ前の「MUST DO!」〜ビジュアル・チェック編〜
昨日のブログ、人前に立つ前の「MUST DO!」〜ムービー/チェック編〜の続編で …
-
-
一流の人は「飽きない」。
「一流ってのは、飽きないものなんだ」 友人が、バンドでメジャーデビ …
-
-
「歌の表現力」ってなんだ?
表現力と言うことばを聞いたことがあるでしょうか? 「彼はテクニック …
-
-
「自分の音域を知らない」なんて、意味わからないわけです。
プロのヴォーカリストというのに、 「音域はどこからどこまで?」 という質問に答え …
-
-
コツコツ積み重ねる微差が、逆転勝ちを演出する
自分の生まれは選べません。 生まれたときから、才能やルックスや音楽環境に恵まれて …
-
-
10回のリハより1回の本番
「10回のリハより1回の本番」 ミュージシャンたちが、異口同音に言うことばです。 …
-
-
「生みの苦しみ」
作品をつくり出すことは、非常に苦しい作業です。 例え …
-
-
人に認めてもらえない3つの理由
趣味で、仕事で、コミュニティで、 認められたいのに、認められない。 自分は認めら …
-
-
勘違いか?わかってないのか?はたまた、なめてるのか?
ライブでもレコーディングでも、 いや、リハーサル、または実技の授業などであっても …
- PREV
- 変化することは人間らしさ、自分らしさの一部
- NEXT
- 自分を好きになる10の方法