大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

「自分の音域を知らない」なんて、意味わからないわけです。

   

プロのヴォーカリストというのに、
「音域はどこからどこまで?」
という質問に答えられない人が、実にたくさんいます。
 

楽器を弾けないようなアイドル歌手ならともかく、
シンガーソングライターや弾き語りをやっている子、
音楽学校にまで通ったことのある子が、
 
自分の音域を知らないというのは、
もう、ちゃんと歌と向き合っていないとしかいいようがない。

 

それって、「100メートル何秒で走れるかわからない」
「バーベル、何キロまで上げられるかわからない」
と言っているスポーツ選手に近い。

 

自分の限界や境界を知らないで競技をがむしゃらにしていたのでは、
上手くならないだけでなく、危険です。

 

 

1オクターブくらいしか音域のない曲を、
自分のキーに合わせてしか歌わないような「なんちゃって歌手」はともかく、
 

J-popでも、ロックでも、R&Bでも、
一般的な音域の曲を歌うからには、
必ず、声の出し方を意識して、
または無意識に「チェンジするポイント」があるのです。
 

そのポイントでうまく声をチェンジできない人は、
高い声が出ない、
声がフラットする、
ひっくり返る、
ノドを酷使して壊してしまう、
・・・などなどのトラブルに見舞われます。

 

その時点で
「オレは(私は)高い声が出ないから」とあきらめ、
ひ弱なファルセットに逃げたり、
単純に、高い音域に行かないような曲ばかりを選んで歌ったり、
作ったりするようになるわけです。

 

まぁ、何度も書いているように、
先日も、Youtubeをアップしたばかりですが
そして、もう、猫も杓子もあちこちで語っているように、
高い声はちょっとしたコツ次第で誰にでも出せます。

 

ただし、この「チェンジするポイント」さえ間違えなければ、
という前提がつくのです。

 

楽々高い声が出る人というのは、無意識に、このポイントを超えているわけです。

 

自分の音域を正確に知ること。
 
どこからどこまで楽に出る。
どこからどこまでいい声が出る。
どこから声が変わる。
どこから力が入る。
どこから歌えなくなる。

 

ベンチマークのないトレーニングは、いたずらに時間を浪費します。
 
自分の声を知り尽くして、そのすべてで表現をするのがヴォーカリスト。
 
自分の声というものを理解できるようになるまでには、
ある程度の忍耐と修行が必要ですが、
音域を知るのは、ごくごく簡単です。

 

なんでやらないのか、むしろ意味がわからないわけなんです。
わたくし。

14153582 - playing and singing little boy on black background

【第3期MTLヴォイス&ヴォーカルレッスン12】キャンセル発生にて限定1名お申し込み受付中!
メール・マガジン『声出して行こうっ!me.』
ご登録はこちらから。

 

 - The プロフェッショナル, ある日のレッスンから, 声のはなし

  関連記事

カツゼツッ!!!

普段はほとんど興味のないテレビですが、 さすがに昨今、 ニュースくらいは見ておか …

「他者基準」で自分をジャッジしない。

才能あふれる若者たちを教える機会に恵まれています。 レッスンのたびにワクワクした …

「向いてない」んじゃない、「イケてない」んだ。

「お前、無理してそんな歌、歌うなよ。 お前には似合わないぞ。」 「MISUMIち …

「あなた、ジャズを勉強したこと、あるの?」

ニューヨークにある音楽学校、マンハッタンスクールオブミュージックの、 奨学金試験 …

「仕事ができない」と言われる人にはワケがある

どんな人が「仕事ができる人」と呼ばれるかは、 業界によって、少しずつ違います。 …

人前に立つ前の「MUST DO!」〜ムービー/チェック編〜

人前に立って、パフォーマンスしたり、話したりする機会を与えられるということは、 …

歌は1人で歌うものではなく、チームプレー

「歌は1人で歌うものではなく、チームプレー」 今日、週末に大きなライブをひかえた …

「作品」は、鮮度の高いうちに世に出す

食べるものに鮮度があるように、 人がクリエイトするものにも鮮度があります。 どれ …

あなたはシンガー?ボーカリスト?

シンガー(Singer/歌手)と ボーカリスト(Vocalist)。 &nbsp …

臨界点を突破する

「どんなに練習しても、高い声が出ない」 「毎日ボイトレしているのに、声量が上がっ …