大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

人に認めてもらえない3つの理由

   

趣味で、仕事で、コミュニティで、
認められたいのに、認められない。

自分は認められてしかるべきなのに、
なんだか扱いがよくならない。

 

こんな風に感じた時は、ついつい、
「自分の存在にまわりが気づいていないから評価されないのだ」
「自分の素晴らしさが、まだこの人たちわかっていないのだ」
という思考に陥りがちです。

だから、目立とうとする。

とにもかくにも、前に出て、注目されようとする。

人の目を引くような、奇抜な発言をしてみたり、
大きい声で話してみたり、
時に、わざと失敗をしてみたりもする。

力のある人にわかりやすく親しげにすり寄って行く人もいます。

しかし、こうした努力は、
自分の、人間としての評価を
(たいがいは悪い方向に)変えることはできても、

自分自身の仕事や作品の評価を変えることには、
絶対につながりません。

 

思うような評価が下されない理由は3つです。

1.自己評価が甘い。

2.自分の真価をきちんと表現できていない。

3.アピールしているコミュニティが違う。

この順番で検証し、再考し、
修正していかなくてはいけません。

 

自分の行動や作品の精度、価値を、的確にジャッジする力。

音楽のみならず、
どんな芸術活動においても、
仕事においても、必要不可欠な能力です。

この能力なくしては、自信は「単なる勘違い」。

「イタいヤツ」と影で噂される、憂き目に遭います。

卑屈にならず、疑心暗鬼にならず、
正しい自己評価を身につけ、
行動や作品の精度を上げていくこと。

それこそが正しき学習です。

ここに自信を持てるなら、次に疑うべきは2.でしょう。

つまり、わかりにくい。
伝え方が悪い。

こうしたときに陥りがちなのは、

「どーせ、ヤツらにはわかんないんだ。」
とくさること。

どんなに美味しい、上等な料理でも、
犬用のお皿に乗せられて、
ばしっと目の前に放り出されたら、
誰だって見向きもしません。

まぁ、これは、極端なたとえですが・・・

伝えたいことを、ちゃんと伝えるためには、
その方法があるということです。

まっとうな評価を受けたければ、
伝え方、表現方法を学ぶこと。

このスキルがないために、
埋もれてしまう人が実にたくさんいるのです。

 

この2つは、完全にクリアできているのに、
それでも認められないなら、
もしかしたら、アピールしている相手、
コミュニティが違うのかもしれません。

実際に、職場を変えたらいきなり出世した、
音楽のジャンルを転向したら、
急にスターになったという人もいます。

今いる場所に見切りをつけて、撤退して、
新しいコミュニティを開拓する勇気を持つことも、
時に必要なのです。

 

ただし。

 

1.や2.のプロセスをがまんできずに、
認められないからと、
次々コミュニティや所属場所を変えていたのでは、
一生、他者に認められることはありません。

自分に本当の意味での自信を持てない人に多いパターンです。

これは無理、これではダメと、
さっさと方向転換したり、
1から別のことをはじめてしまう人も同様です。

 

人の、自分に対する扱いを変えたいなら、
人から認められたいなら、
自分自身を変えるしかないんです。

変えられる、もっとやれると、
自信を持つしかないのです。

学習、行動、そしてがまん。

華やかに活躍している人こそ、
そんな地味な繰り返しに耐えているんですね。

 

まだまだ、修行です。

◆【第6期 MTLヴォイス &ヴォーカル レッスン12】
全12ユニット6日間で歌が劇的に変化する【MTL ヴォイス&ヴォーカル レッスン12】。第6期も順調にお席が埋まっております。
お申し込みはお早めに。詳しくはこちら

◆毎朝お届けしている【メルマガ365】。声と歌に関するマニアックな情報満載です。無料購読のご登録はこちらから。バックナンバーも読めます。

 - The プロフェッショナル, イケてないシリーズ

  関連記事

やっぱ、英語なんだよなぁ。

日本語の歌を歌っているとめちゃくちゃカッコいいのに、 英語の歌になったとたんに、 …

「華がある人」になる

「あの人は華がある。」、 反対に「華がない」ということばを耳にします。 &nbs …

コツコツ積み重ねる微差が、逆転勝ちを演出する

自分の生まれは選べません。 生まれたときから、才能やルックスや音楽環境に恵まれて …

「なんか好きじゃない曲」を歌わなくちゃいけない時のヒント

バンドをやってると、 「なんか好きじゃないな」という曲を 歌わなくちゃいけない時 …

「そんなこと、基本の「き」だろう!!?」

某ビール会社のCM制作のお仕事で、 ある著名なボーカリストが歌うイメージソングに …

一所懸命やりがちな、『イケてない練習』

「歌ってどうやって練習しているの?」 レッスンを担当することになったボーカリスト …

現実が自分にフィットしないときに、 なぜ、自分を合わせに行こうとするのか?

生涯を共にできるようなメンバーになかなか巡り会えず、 日々バンドの人間関係に悩ん …

「イケてないメンタル」を打破する

本番になると、やたらミスばかり犯してしまう。 プレイは悪くないんだけど、いまひと …

「腕は良いのに仕事が来なくなる人」

音楽業界には、 「なんであの人に、あんなに仕事くるんだろうね〜?」と影で噂される …

プロフェッショナルの徹底ピアノ調整!

10月末から1週間ほど休業&家を留守にするということで、 思い切って、ピアノの一 …