「ライブ前にやらなくちゃいけないこと」なんて、なんにもない!?
「ライブ前に、絶対しなくちゃいけないことってありますか?」
そんな質問を受けると、まず一番に言うことは、
「自分の中のハテナ?を消すこと」。
これまでも繰り返し語ってきたように、
ひとつでも「?」があれば、
その「?」分だけ、自信が揺らぎます。
自信が揺らげば、集中力がとぎれ、
心の隙間が生まれます。
そんな心の隙間に、
雑念が入り込んで、
いきなり、覚えていたはずの歌詞がすっ飛んだり、
あり得ないくらい緊張したり、
声がひっくり返ったり、
もっと悪い時には、ケガをしたり、
パフォーマンス中だというのに、
気持ちが落ち込んだり、してしまうのです。
「じゃあ、プロの人って、みんな完璧に準備しているんですか?」
いやいやいやいや。
それは、もう、人によりけり。現場に寄りけり。
何十本もツアーを組むようなメジャー系のコンサートならともかく、
ライブハウスで行われるセッションなどでは、
当日、初顔合わせ、
当日、曲を初めて聞いて、初見でリハーサル。。。
なんてことも当たり前のようにあります。
ジャズの世界などでは、
リハーサルをしてしまうと、
演奏がつまらなくなるからと、一切リハなし、
みたいな現場もあるようです。
ヴォーカリストだって、
譜面台を立てるのが当たり前という人も、
プロンプターを立てる人も、
リハも本番も着た切り雀、
化粧や髪型さえ気にしない、なんて人もいます。
リハが終わると(いや、リハの最中から)、
「とりあえず」と飲み始める人もいれば、
本番前にお腹いっぱいごはんを食べる、なんてツワモノもいる。
そんな人たちは、
ストイックに準備をする、私のようなヴォーカリストに、
「真面目だね〜」
「エライね〜」などと言う声をかけたりするものです。
どっちが正しいか、はありません。
それぞれに、それぞれの理由があります。
「お酒を飲むとリラックスして、いい演奏できるんだ」も、
「お腹いっぱいの方が横隔膜がうまく動くんだ」も、
「かしこまってめかし込んだんじゃ、素の自分が出せないんだ」も、
全部、長年の経験の結果、その人なりに導き出した結果でしょう。
人がとやかく言うことではありません。
私の正解は「?」を限りなくゼロに近づけること。
それをずっと実践してきているし、
そのおかげで、毎回、パフォーマンスが少しずつでも向上していると今でも信じています。
だから、自分の弟子や生徒たちには、そのように指導する。
それだけです。
自分の正解は自分で決める。
他人にとっての正解をとやかく言わない。
これに尽きます。
あなたの正解はなんですか?
【Day-to-day】
明後日、10月6日(金)京都Ragに出演します。
明日は前乗りして訪れたかった場所に行く予定・・・なのだけど。。
お天気やいかに!?
https://www.ragnet.co.jp/livespot/14652
関連記事
-
-
「落としどころ」か?「限界突破」か?
完璧主義というほどではないですが、私はなにかと採点が辛いようで、 生徒やクライア …
-
-
ピッチが悪いの、気づいてます?
少し前のこと。 知人に誘われたとある会社のパーティー会場の片隅で、 いきなりジャ …
-
-
ぶっ壊すことを恐れない。
CMの作詞のお仕事を依頼されたときのことです。 某大企業のCMの歌詞を書かせてい …
-
-
バッファーをとる
ビジネス用語として最近よく使われる、「バッファー」ということば。 「緩衝」つまり …
-
-
ちゃんと鳴らせ。
以前、お世話になった大洋音楽出版の水上喜由さんが、 「スティーブン・スティルスが …
-
-
「観客総立ち」を演出するプロの仕掛け
先日、キャロル・キングのケネディー・センター名誉賞をたたえて、 アレサ・フランク …
-
-
「腕は良いのに仕事が来なくなる人」
音楽業界には、 「なんであの人に、あんなに仕事くるんだろうね〜?」と影で噂される …
-
-
「クリエイトすること」はゴールではない
「どんな仕事に携わっていても、何をクリエイトしていても、 大切にすべきことの本質 …
-
-
「いいもの」と「売れるもの」はイコールではない!?
「どんな仕事でも、結局、営業力だ。」 という意味の言葉を聞いたことがあります。 …
-
-
「教える者」であるということ
学生時代。 先生が生徒をジャッジするより、 生徒が先生をジャッジすることの方が圧 …


