大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

「ライブ前にやらなくちゃいけないこと」なんて、なんにもない!?

   

「ライブ前に、絶対しなくちゃいけないことってありますか?」

 

そんな質問を受けると、まず一番に言うことは、
「自分の中のハテナ?を消すこと」。

 

これまでも繰り返し語ってきたように、

ひとつでも「?」があれば、
その「?」分だけ、自信が揺らぎます。

自信が揺らげば、集中力がとぎれ、
心の隙間が生まれます。

 

そんな心の隙間に、

雑念が入り込んで、

いきなり、覚えていたはずの歌詞がすっ飛んだり、

あり得ないくらい緊張したり、

声がひっくり返ったり、

 

もっと悪い時には、ケガをしたり、

パフォーマンス中だというのに、
気持ちが落ち込んだり、してしまうのです。

 

「じゃあ、プロの人って、みんな完璧に準備しているんですか?」

 

いやいやいやいや。

それは、もう、人によりけり。現場に寄りけり。

 

何十本もツアーを組むようなメジャー系のコンサートならともかく、

ライブハウスで行われるセッションなどでは、
当日、初顔合わせ、
当日、曲を初めて聞いて、初見でリハーサル。。。

なんてことも当たり前のようにあります。

ジャズの世界などでは、
リハーサルをしてしまうと、
演奏がつまらなくなるからと、一切リハなし、
みたいな現場もあるようです。

 

ヴォーカリストだって、
譜面台を立てるのが当たり前という人も、
プロンプターを立てる人も、

リハも本番も着た切り雀、
化粧や髪型さえ気にしない、なんて人もいます。

リハが終わると(いや、リハの最中から)、
「とりあえず」と飲み始める人もいれば、

本番前にお腹いっぱいごはんを食べる、なんてツワモノもいる。

 

そんな人たちは、
ストイックに準備をする、私のようなヴォーカリストに、

「真面目だね〜」
「エライね〜」などと言う声をかけたりするものです。

 

どっちが正しいか、はありません。

それぞれに、それぞれの理由があります。

 

「お酒を飲むとリラックスして、いい演奏できるんだ」も、

「お腹いっぱいの方が横隔膜がうまく動くんだ」も、

「かしこまってめかし込んだんじゃ、素の自分が出せないんだ」も、

 

全部、長年の経験の結果、その人なりに導き出した結果でしょう。

人がとやかく言うことではありません。

 

私の正解は「?」を限りなくゼロに近づけること。

それをずっと実践してきているし、
そのおかげで、毎回、パフォーマンスが少しずつでも向上していると今でも信じています。

だから、自分の弟子や生徒たちには、そのように指導する。

それだけです。

 

自分の正解は自分で決める。
他人にとっての正解をとやかく言わない。

これに尽きます。

 

あなたの正解はなんですか?

11586773 - vocalist girl is singing. electro guitar player in out of focus

【Day-to-day】
明後日、10月6日(金)京都Ragに出演します。
明日は前乗りして訪れたかった場所に行く予定・・・なのだけど。。
お天気やいかに!?
https://www.ragnet.co.jp/livespot/14652

161006

 

 - The プロフェッショナル

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


  関連記事

「自分の名前」と、今一度向き合う。

作詞者は曲のタイトルを。 編集者は、本のタイトルを。 起業家は会社名を。 そして …

一流の人は「飽きない」。

「一流ってのは、飽きないものなんだ」   友人が、バンドでメジャーデビ …

「切り際」で、歌は素晴らしくも、へったくそにもなる。

昨日、「音の立ち上がり」は、 歌い手の声の印象を大きく左右する、 というお話をし …

音楽には「顔」がある。「オケと歌」、じゃないんです。

楽器の人たちと話していると、 演奏中、ヴォーカリストとは全然違う視点で ステージ …

歌は1人で歌うものではなく、チームプレー

「歌は1人で歌うものではなく、チームプレー」 今日、週末に大きなライブをひかえた …

肩書きが人をつくるんじゃない。 人が、自分の肩書きをつくるんだ。

初めて自分の肩書きというのを意識したのは、 サポートコーラスとしてツアーのお仕事 …

「で?私、何したらいいんですか?」

「初回はカウンセリングをします」と言うと、 いわゆる「体験レッスン」をご希望の方 …

完成しない作品は、「作品」ではない

ずいぶん昔。 ユーミンがとあるラジオ番組で、 「美大で日本画を専攻していた」とい …

自分自身こそが「最も手強いオーディエンス」だ/『クレイジーホース・パリ 夜の宝石たち』

「観客のことは意識しないことにしている。 クリエイトするときはいつもそうだ。 ま …

音は「楽器」じゃなくって、「人」が出すものなのです。

かつて、ドラムの神様と言われたスティーヴ・ガッドが来日した際のお話です。 &nb …