大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

「一生うまくならない人」

      2015/12/20

いろいろなところで、「歌は誰でもうまくなる」と書き続けてきました。

今でもそれを信じているし、
それを実現するために、また、みなさんにも信じてもらうために、
日々さまざまなチャレンジを続けています。

そんな私が「一生うまくならない人」の話をするなんて、
ちょっと矛盾していると思うでしょうか?

残念ながら、「一生うまくならない人」というのは存在します。

それは、ずばり、
自分の歌がきちんとジャッジできていないため、
自分はちゃんと歌えている、最高にうまいと思っている人です。

つまり、そこで終わってしまっているのです。

自分の歌が最高と思える人には2種類しかいません。

本当に最高か。
てんでわかってないか。
この2種類です。
人間性にも同じようなことが言えますね。

自分は最高にいい人間だと思っている人・・・
そんな人にも2種類しかいません。

本当に最高か。
自己評価が高すぎるイタい人か。

ちょっと脱線しました。

自分の歌を客観的に聴き、的確に判断する能力、
すなわち、センスを磨くことが、歌の上達には不可欠なのです。

ちゃんと歌えているかどうかがわからないことが問題なのに、
その問題にすら気づけない。
それが最大の問題です。

そこに気づかない限り、何年歌っても、絶対にうまくなりません。

周囲が思うように自分を評価してくれないときは、
何か理由があるものです。

勇気を出して、辛口な人の意見を求めることも大切ですね。

 - イケてないシリーズ

  関連記事

誤解だらけの「ロック声」。そのシャウトでは、危険です。

ハスキーで、ひずんだ感じの、 いわゆる「ロック声」には、いろいろな誤解があります …

「シロウトが一番怖い」

「シロウトが一番怖い」とはよく言ったものですが、 その真意がわかるようになったの …

「あの人はうまい」といわれる歌とは?

「あの人はうまい」といわれる歌と、そうでもない歌。 誰もが、「なんとなく」歌の善 …

「腕は良いのに仕事が来なくなる人」

音楽業界には、 「なんであの人に、あんなに仕事くるんだろうね〜?」と影で噂される …

「なに聞いて歌ってんの?」

「なに聞いて歌ってんの?」 ワークショップや授業で生徒たちの歌を聞いた後、 よく …

教える人のやる気を奪う「イケてないリアクション」

生徒やクライアントのポテンシャルを引き出すのが、 トレーナーや講師の仕事。 しか …

お前の主観はいらんのじゃ。

人が音楽や歌をジャッジするポイントは、 大きく分けて3つあります。 1つめは「正 …

それでいいの?「イケてないリハーサル準備」

知らない曲を演奏することになったとき、 リハーサルまでに、あなたはどんな準備をし …

解像度を上げろ!

歌で伸び悩んでいる人や、思ったように評判が上がらない人に、真っ先に疑って欲しいの …

「高い声が出ない」という理由だけでキーを決めてませんか?

どうしてなんでしょうね? どうして、「高い声が出ない」という理由だけで、 みんな …