歌っている自分を直視できますか?
自分が歌っている姿を鏡で見ながら、
練習やリハーサルをしたことはありますか?
これ、苦手な人が実に多い。
特に男の子に多いという印象です。
はじめてメジャーアーティストのリハーサルというものに参加したとき、
びっくりしたのが、アーティストがバンドのメンバーに背を向けて、
鏡を向いて歌い出したことです。
やがて、スタジオのレイアウトが、
ステージと同じサイズに仕切られているのだと知ります。
本人やメンバーが実際のステージのサイズ感をつかんだり、
スタッフさんたちがプランを練ったりするために、
楽器もすべて本番と同じようにセッティングされていました。
だから、アーティスト本人は客席のお客さんに向かうように、
鏡を向いて、動きのシミュレーションをしながら、歌うわけです。
これね。いざ、やってみると、まぁまぁ恥ずかしい。
私もうるゴメというバンドに所属していた頃はよく、
こういうリハーサルをやったものですが、
最初はどこを見たらいいのかわからず、キョドったものです。
やがて、歌っている自分、動いている自分を見るのに慣れることは、
パフォーマーにとって、めちゃくちゃ重要だと気づきました。
だって、お客さんは、その自分を見ているわけで。
時々、ライブのビデオさえ、
恥ずかしくて見られないという人もいるんですが、
自分が見るのも恥ずかしい姿を、
大勢のお客さんの前にさらしていると想像する方が、
よほど恥ずかしくないか。
鏡を見ながら歌うことに慣れたり、
歌っている自分の映像をチェックしたりすることに慣れると、
お客さんの視点に立って、自分自身を客観視できるようになってきます。
ステージへの登場の仕方がダサイとか、
マイクの前に立ってから、服や髪を触るのがうざいとか、
音楽にノッているときの動きがイケてないとかというビジュアル面はもちろん、
歌う時の表情の硬さや、姿勢の悪さ、軸の乱れ、
口の開け方のぎこちなさなどなど、
とにかく気づき満載です。
一度慣れると、逆に、鏡なしで歌うことが不安になったりするくらいです。
これ、ヴォーカリストのみならず、楽器の人も同じですよね?
お金を取って人前でライブする以上、
歌や演奏がいいのは、あたり前。
自分が見たい自分を
お客さんにも見てもらうのが、パフォーマーたるもののつとめ。
まぁ、自分というものが自分自身に対して、
一番辛口なものですから、
このハードルを越えるのは一生仕事ですが・・・。
まずは、自分と向き合う。
ちょっとずつ、好きになる。
できれば、いっぱい好きになる。
とりあえず、鏡に向かって歌うことから、
はじめてみましょう。
◆公式LINE、はじめました。ご質問やお悩みにもお答えしていきます。
ご登録はこちらから。
関連記事
-
-
「聞こえませーん」
会議の時、 「聞こえませーん」と言われることが恐怖で、 必死に声を振り絞って話す …
-
-
「ブログの投稿は終了したのですか?」
「ブログの投稿は終了したのですか?」 というお問い合わせをいただきました。 &n …
-
-
うっそくっさいブランディングは、いい加減やめよう。
かつて業界では、 ミュージシャンでも、タレントでも、 デビューさせるにあたり、 …
-
-
「自分基準」を育てる。~Singer’s Tips #3~
「本当に実力がある人」って、 今、自分が何をしているか、 確実に理解しているもの …
-
-
歌い手の声の印象はこれで決まる!
プロアマ問わず、 さまざまなシンガーの歌にアドバイスをしていて、 もっとも気にな …
-
-
英語の歌詞が聞き取れない!?
かつて、日本で発売される洋楽のレコードには、 ジャケットと同じ大きさの、大判の歌 …
-
-
本気でうまくなりたいなら、まず、黙って聴く。~Singer’s Tips #20~
シンガーを志しているという人に、 どんな練習をしているのかと聞くと、 多くの人が …
-
-
スリルとサプライズが、演奏に火をつける
バンドをやったこと、ありますか? 高校2年でバンドをはじめて、いまだにバンドでラ …
-
-
「限界ギリギリの定番曲」をいきなり歌う。
練習はルーティンからはじめる、というのは、 どんなスポーツでもおなじではないでし …
-
-
値切らないっ!
アジア圏のとある国へ旅行に出かけた時のことです。 あれはどこの国だったか。。 「 …