本気でうまくなりたいなら、まず、黙って聴く。~Singer’s Tips #20~
シンガーを志しているという人に、
どんな練習をしているのかと聞くと、
多くの人が以下のように答えます。
好きな曲や流行の曲、
誰かが歌っていて、歌いたいと思う曲がみつかったら、
YoutubeやSpotifyで曲を探し、
スマホで歌詞を表示する。
すでに、メロディはだいたい覚えているので
聞きながら、一緒に歌ってみる。
2〜3回、歌詞を見ながら歌ってみて、
特に高い音や、
難しいフレーズなど、
歌えないところを練習する。
一通り、歌えたら、次の曲に進む・・・。
これでは、カラオケが好き!と言う人と、
なんら変わりありません。
歌を志すということは、
「送り手」になるということ。
大多数の「受け手」とおなじことをしていて、
頭ひとつ抜け出るのは、
よほどのセンスがない限り無理でしょう。
繰り返しお話していて、
やや口が酸っぱい感がありますが、
大多数の人が、まず、圧倒的に、ちゃんと聴けてない。
なんとなく曲を知っているからと、
すぐに歌い出して、
メロディを覚えたら、
もう歌える気持ちになる。
オリジナルのシンガーと一緒に歌えば、
自分が歌えていないところは、
オリジナルシンガーが補完してくれるから、
すっかり、いい気分になって練習を終える。
これでは、いつまで経っても、
そのシンガーの歌の、
どこが魅力なのか、
なぜカッコいいのか、
自分の歌と何が違うのか、
という情報を拾い出せるようになりません。
歌いながら、
お手本の歌と、自分の歌との微妙なニュアンスや、
表現力の違い感じ取れるようになるには、
ある程度の修行が必要です。
まずは、
黙って聞く。
ちゃんと聞く。
集中して聞く。
歌だけじゃなく、オケにも集中してみる。
楽器のひとつひとつにも、耳を向けてみる。
今まで自分が、どれだけの情報を、
ザルのように聞き逃してきたか、
愕然とするところから、
本当の練習は、はじまります。

◆“MTL ヴォイストレーナーズ・メソッド” 開講します!
業界トップクラスのメソッドで、圧倒的な結果を出す。ヴォイストレーナーとして活躍されている方はもちろん、ヴォイストレーナーを目指す方、トレーナーという仕事に興味があるという方も。
関連記事
-
-
「やりたい」と「やる気がある」は月とスッポンほど違うんだ。
先日、著名なアーティストの方と、 その方のお子さんが、 「音楽に興味があると言っ …
-
-
「自分の本当の声」ってなんだ?
「私の本当の声ってどんな声なんでしょう?」 シンガーやパフォーマーに限らず、 一 …
-
-
前途洋々な若者に思わずアドバイスしてしまう5つのこと
時間は年齢とともに加速する。 噂には聞いていたけど、 そして、20 …
-
-
「立ち上がり」が悪いから歌がシャキッとしないのだ
音の「立ち上がり」の大切さに気づいていないばかりに、 イマイチ、歌がシャキッとし …
-
-
『やらなきゃいけないとわかっていても、 なかなか続けられないことを、続けるヒント』
「練習時間、なかなか取れないんですよね〜」 「こういうのって、どこで練習したらい …
-
-
Think big!
最近、学生たちと話していて、気になることがあります。 これからどうなりたいの?と …
-
-
「時間」を武器に変える!
「日本人は、残業するから、作業の生産性が上がらないんだ。 17時なら17時に確実 …
-
-
「おまえ、リズム悪いな」と言われたら、やるべき3つのこと。
「おまえ、リズム悪いな」 何気なく、 しかし、わりとよく言われるこのことば。 楽 …
-
-
「ビートを立てる」って難しい。〜Singer’s Tips #11〜
「もっとビート立てて、リズムよく歌って。」 などというディレクションを受けること …
-
-
無価値感になんか負けないっ!
20代の終わりの頃、 洋楽コンプレックス、英語コンプレックスを払拭するために、 …
