大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

「選ばれる基準」

      2017/10/10

「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」とは、
日本の最高額紙幣に印刷されている福沢諭吉さんのおことば。

 

しかし、年齢、身長、体重、年収、偏差値、売り上げ、勤続年数…
人は、数字という「基準」を設け、

数値化できないことには、
「スタンダード」というアイディアを持ち込み、
それぞれを比較し合うことで、上下や優劣を決めたい生き物。

自分自身を省みても、複数の人の中から誰かを選び取るとき、
必ず、何らかの基準を持ち込んでいます。

今日は、音楽の世界で、ショービジネスで、
「選ばれる基準」について考えてみようと思います。

 

1. 「若さ」

認めたくない気持ちも、もちろんありますが、
しかし、これはもう決定的なことです。

実力とルックスが同じなら、絶対若い方がいい。

いや、若ければ、実力は、仕事をするうちに身につくから、
とりあえず、下手でもいい。

若さは七難隠すから、ルックスもそこそこでいい。。。

そんな風潮が、業界にはあります。
若さがあると、可能性があります。伸びしろがあります。
若い人に惹かれるのは、本能でもあります。

しかし、「若さ」という価値は、失うのも早いもの。
そして、残念ながら、一度失ったら二度と取り戻せないもの。

「若さ」を売りにしようと焦るよりは、
他の価値を高めた方がよさそうです。

 

2.「ルックスのよさ」

生まれながらにルックスのいい人というのがいます。

美人である。ハンサムである。スタイルがいい。
体格がいい。。。などなど、
なんにもがんばらなくっても、人の目を惹く人は、
どこの世界にもいるものです。

ルックスがいいものに、人はなぜ惹かれるのか?

ある研究によれば、それらはすべて、
健康で、優秀な遺伝子を残したいという本能によるものだそうです。
つまり、肌や髪、歯の美しさは健康の象徴。

華奢な女性であれば、支配的な男性の欲求を満たしますし、
肉感的な女性であれば、
元気で丈夫な赤ちゃんをたくさん産んでくれそうです。

身長の高い体格のいい男性は、外敵から守ってくれそうですし、
筋骨隆々のたくましい男性は、
獲物をたくさん捕って帰って来てくれそうでもあります。

ルックスは、ある程度、自分の努力で変えられます。

反対に、生まれながらにルックスがよくても、
不健康で怠惰な生活を送っていれば、
姿勢が悪くなったり、筋肉がなくなって太ってしまったり、
清潔感がなくなったり、艶感がなくなったりと、
「選ばれないルックス」になってしまうわけです。

あきらめないでがんばりたい領域です。

3. 「ユニークさ」

他の人と違う何かを持っているかどうかが、
選ばれる上で、一番大きなポイントでしょう。

たとえば、複数の圧倒的なセールスポイントがある。

歌も、ブレイクダンスも圧倒的にうまい。
ギターの名手で、ピアノもバリバリ弾ける。
作詞作曲だけでなく、打ち込みやアレンジができる。
誰よりも高い声が出るだけでなく、英語も堪能。

などなど。
たとえば、経歴がユニーク。

家族が有名人、
スポーツやビジネスなど、異業種で才能を発揮していた、
高学歴である、
ライブやSNSなどですでに多くの支持者を得ている・・・などなど。
たとえば、音楽家でありながら、他の才能もある。

モデルばりに美しい。
男性or女性の区別がつかない声とルックスを持っている。
バレエや日舞が鮮やかに踊れる。

などなど。

あきらめずに探せば、誰にでも、他の人にはない
ユニークなセールスポイントが絶対あるものです。

それを見つけて、磨き上げる。
わかりやすく、見せて行く。

そんな努力が大切ですね。

 

 

選ばれ続ける人になるためには、やっぱり不断の努力が必要。

大切なことはまだまだありそうですが、
長文になっちゃったので、今日はこんなところで!

14799969_s

 - The プロフェッショナル, 夢を叶える

  関連記事

「逃した魚」は、きっと毒入り!?

「チャンスの神様には前髪しかない」(Seize the fortune by t …

「今さらそんなことして、どうするつもりなの?」

思わず口をついてでることばには、 その人が日頃、何を信じているかが反映されます。 …

人は本質にしか心を動かされない。

今日は某飲料メーカーの社長さん、某業界No. 1のキャリアウーマン、複数のビュー …

「あきらめていた夢」を、もう一度追いかけるということ

「音楽は、何才で始めなくちゃいけない」、なんていう制限はありません。 「好き!」 …

「変」なのか?才能なのか?

先日、とある会社にお勤めの、 才能あふれる、知的な若者とごはんしていた時のこと。 …

で?なにがやりたいわけ?

高校時代、多重録音というものへのあこがれが高じ、 ラジカセをふたつ向かい合わせに …

音楽をやる理由?

自分とおなじくらい「音楽に夢中」という友達に出会えないことが、 学生時代の悩みで …

未来の自分を信じる~Singer’s Tips#29~

自分がオーディエンスだったら、 どんなシンガーを見たいか? どんな歌を聴きたいか …

「時間を忘れて夢中になる人」だけが、プロフェッショナルとなる

「ボクね、コーヒー飲もうと思って口に入れるでしょ。 で、そのまま機材の調整はじめ …

解像度を上げろ!

歌で伸び悩んでいる人や、思ったように評判が上がらない人に、真っ先に疑って欲しいの …