プロへの突破口『デモ音源の渡し方?』
2019/08/17
「こんにちは!はじめまして。
私、歌やってるんですけど、私のCD聞いてもらえますか?」
友人のLIVEを見に行って、
知らない人に、いきなり音源を手渡されることがあります。
もしくは、自分のLIVEの楽屋に、
誰それの知人だからと、いきなり音源を持って現れ、
上記のようなことを言うツワモノもいます。
冗談のような話ですが、実によくあるんです。
一方で、このブログを読んで、
「しまった!」と思う人も多いかなぁ。。。
営業熱心なのは大切なことです。
「一所懸命」と捕らえる人もいるでしょう。
しかし、自分の身になって考えてみてください。
友達と食事に行ったレストランで、通りすがりの人に
「よかったらこれ、読んでください」と無料冊子を渡される。
あなたは、その無料冊子を持って帰りますか?
興味を持って読みますか?
もしくは、自分が出た試合の応援してくれていた見知らぬ人が、
競技が終わっていきなり控え室にやってきたかと思うと、
「自分も同じ競技やってるんですけど、
よかったらちょっと自分のプレイ、見てくれませんか?」と、
DVDを手渡す。
あなたはどう感じますか?
へぇ、すごいねぇ〜と、家に帰ってそのDVDを再生しますか?
残念ながら、こうして手渡すCDは、
8割、いや9割は聞いてもらえないと思って間違いないと思います。
ごめんなさい。
でも、聞かないんです。
手渡された音源を聞いてみようと思うのは、下記5つの場合。
1.自分がよく知る誰かに、
「是非、聞いて、何か感想を言っやってよ」と頼まれたとき。
自分が信頼する人に推薦されたり、
義理ある人に頼まれれば、もちろん、聞きます。
2.何度も顔を合わせたことがあり、感情移入できる相手であるとき。
また、相手が自分のファンや、自分を尊敬している人で、
どうしても、自分に聴いて欲しいという情熱を持って、
接してくるとき。
何度か話したことがある、気の合う相手や、
自分のライブに何度も足を運んでくれる人なら、
もちろん、聞かなくちゃ、という気持ちになります。
学生などからもらうデモも、この範囲です。
3. 次回、その人にいつ会うのかが決まっていて、
感想を言わざるを得ないとき。
興味が持てなくても、やはり人は、
「冷たい」とは思われたくないもの。
だから聞きます。
多くの場合は、何とか感想をひねり出します。
4.渡された相手が、以下のどれかに当てはまるインパクトを持っていたとき。
・ルックスがものすごくカッコイイ、または気になる
・こいつは違う、という見過ごせないインパクトを持っている
・外国人、ハーフ、有名ミュージシャンの血縁、富豪、高学歴、
一流ビジネスマン、帰国子女・・などなど、
特殊なプロフィールがある…etc.etc.
この場合は、思わず聞いてしまう、という感じでしょうか。
5.自分が探していた、または知人が探している、
新人ミュージシャンの条件に当てはまるとき。
タイミングがあうというのはこういうことです。
運と縁があえば、面白いことになります。
ただし、滅多にありません。
もちろん、世の中には優しい人も、義理堅い人もいますから、
渡された音源は丁寧に全部聞く、という人もいるでしょう。
だから、渡すな!というわけではないんです。
数打ちゃ当たる、とばかりに、山のように配っていれば、
いいという考え方もあるでしょう。
でも、せっかくプロモーションとして渡すものならば、
少しでも、聞いてもらえる確率は高い方がいい。
まして、なんだこいつ!?と思われたら、絶対マイナスです。
大切なことは・・・
せっかく自分の作品を聴いて欲しいと渡すなら、
本当に聞いて欲しい人だけに、情熱を持って渡す。
相手の気持ちや状況を考え、渡せるタイミングをしっかり捕らえる。
そして、聞いてくれた相手を損した気持ちにさせないような、
グレードの高いものを渡す。
効果的なデモ音源については、また書きますね。
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