大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

「変化」を恐れずに生きる

      2015/12/20

10代の頃は、10代のうちに死にたいと思っていました。

10代が一番美しい。
穢れたオトナになるくらいなら、
いっそひと思いに、10代のうちに美しく生涯を閉じたいと、
美意識の高い友達と美術の課題をやりながら話していたのを、
今も鮮明に覚えています。

20代になって、「女の人生は24までが勝負」と決めつけました。
25になったら「おばはん」だ。
24までが売り時のクリスマスケーキと同じ。
25になったら、もう年貢の納め時だと。

29才で、30になったらできないことを、今、全部やらなくちゃと思いました。
やりたくてもできなかったことを、なんでもかんでも手当たり次第試しました。
アメリカに渡り、オーディションを受けまくり、
ライブのステージに立ちました。

35才になったとき、
あれ?年齢ってなんだっけ?と、ふと、立ち止まりました。

35才も、36才も、37才も。。。
年齢を数えるなんて、何の意味もない。
意味づけしたり、リミットを決めつけたりしているのは、
結局自分自身なのだと気づきました。

数字のゲームから自由になって、
自分の価値観だけで時間を計れるようになったのです。

 

40才を過ぎると、今度は数字ではなく、
自分自身の身体の限界と直面することになります。

単なる数字のゲームじゃなく、
現実的な、体力の限界や、肉体と脳の衰えに、
愕然としたり、自らを哀れんだり。

その時に、はじめて、
自分自身の本質的な価値を模索するようになりました。

同時に、芸術や文学やスポーツ。
人類が長いことかけて育ててきたものの、
本当の価値に巡り会えた気がしました。

後輩たちの人生を、違った視点から見られるようになったのも、
この頃からです。

 

長いこと生きているうちに、
人のステージはさまざまに変化します。

ステージが移っていくということは、それだけで、すごく価値のあること。

 

どんな仕事についても、誰と一緒に過ごしても、
人生を大切にしていくために大切なことを考えてみました。

 

1. 変化を、勇気を持って受け入れること。

生きているものは変化する。
変化を止めてしまったものは、腐敗するか、風化するしかない。
どんな変化も、ポジティブに受け入れる。勇気を持って、向かって行く。
本当の価値は、その先に生まれる。

2. どんな選択をしても、自分自身をけして恥じぬこと。誇りを持つこと。

うまくいかないとき、人のせいにすれば、楽だろうか?
人生はすべて自分の選択であることを受け入れれば、
どんな選択も積極的に自分が選び取っているということになる。
未来を自ら選び取るのか、未来に選ばれるのか。
誇り高く歩むことが、自分をさらに先まで連れて行ってくれる。

 

3.どんなときも、自分のベストを尽くしきること。

人生に「こんなもんか」はない。
自己ベストを更新し続けてこそ、意味が生まれる。
楽しく、ワクワクしながらも、ベストを尽くすことこそが、
最高の自分に出会うために必要なこと。

 

勇気とコミットメント。
そして、どんなときも、自分自身を愛し続けること。

難しいけど、結局それしかないのだと、思うのです。

For you。

30856712_s

 - Life

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


  関連記事

一生ヴォイストレーナーのいらない人になる。

「歌なんか、人にならうもんじゃないだろう。」 そんなことばをどれだけ言われてきた …

極度の緊張に負けない自分になる|本番で力を発揮するコツ

「極度の緊張」のため、肝心な舞台でしくじる。 舞台度胸がないとか、練習が足りない …

バンドやりたい。

若者の頃に出会ったメンバーと、 生涯バンドを続けて行く。 これって、初恋の恋人と …

「思いきりOFF」で、効率をあげる。

「休みの日には思いきり休みなさい」と、みんなに言っています。 たまりにたまった雑 …

「失敗しても、それでいいんだ」

「失敗しても、それでいいんだよ」   ここぞと言うときに、人は、さまざ …

人は「エネルギー」なのだ。

昨日、70日ぶりに、 レッスン室にクライアントさんをお招きしました。 10週間。 …

膨大な情報が流れこんでくる日の過ごし方

さまざまな情報が一度に流れこんでくる不思議な日というのが、時折訪れます。 今日は …

何才までロックします?

「外タレのチケットの値段をつり上げているのは、 ストーンズとポール・マッカートニ …

「クリエイトすること」そのものに愛情を持てるか。

最近、わけあって、 Youtubeをあれこれサーフィンする機会が増えました。 今 …

「会いたい」というエネルギー

卒業式で「じゃ、またね」と別れて、 それきり一度も会っていない友達、何人くらいい …