戦略的に自分というブランドを作る
2017/10/10
この数年、ビジネスというアウェイなフィールドでたくさんの方に出会ったり、
いろいろなことを学んだりするうちに、
音楽家というものを客観的に見ることができるようになりました。
「戦略的に自分というブランドを作る」というビジネスでは当たり前の発想。
そんなことばを知らなくても、自分のブランド作りが無意識に、
天然でできてしまう人は、アーティストでも、ミュージシャンでも、
やはり、早くから認知され、売れていく気がします。
「へ?ブランドってなんですか〜?」
と、数年前の私のような人たちの声が、あちこちから聞こえて来るので、
めっちゃ簡単に説明すると・・・
たとえば、コーラは、あのパッケージがあって、ロゴがあって、
はじめて、ポップで小洒落た飲み物になっている。
味がポップで小洒落ているわけじゃないんです!
同じコーラでも、お醤油のペットボトルに入って、
ひらがなで「こーら」とか書いてあったら、
縁日のラムネみたいな、庶民の味になっちゃうわけなんです。
音楽も同じ。
同じ演奏。同じ歌。同じ曲。
でも、ビートルズが全日本プロレスみたいなルックスで、
上半身裸で、汗だくでジャケットに写ってたら、
絶対に世界的に売れるバンドにはならなかった。
“いえすたで〜い♪”とラジオで流れるたびに、
なんか汗臭い雰囲気が漂うバンドになってたかもしれない。
極論ですけどね。
一流と呼ばれるアーティストは、そんなビジュアル戦略を
早くから、感覚的に取り入れて、
どんどん世界的に「ブランド」として認知されていくわけです。
マドンナしかり、マイケル・ジャクソンしかり、レディー・ガガしかり。
世界的に有名なバンドもみな同じです。
デビューが決まれば、どんなアーティストに関しても、
スタッフ総出でイメージ戦略会議が行われるのが常です。
アーティストの音楽性やキャラクターをより、くっきり打ち出すため、
センスのいい一流のスタッフがあの手この手、戦略を練る・・・
それではじめて、最高の「ブランド」「商品」ができあがっていくわけです。
ところが、まだ、こどもと変わらないアイドル系のスターや
音楽性が完成されていない、ポップ系のアーティストはそうはいきません。
ビジュアル先行で音楽は後付けになったり、
企画ありきで、スタッフの思うままにイメージを作られたり・・・
もちろん、売れたモノ勝ちの世界。
多少無理をしたって、売れに売れれば幸せという人もたくさんいるでしょう。
不幸なのは、運に恵まれない。スタッフに恵まれない。
タイミングがあわないなど、数字が上がらなかった場合です。
・・・そちらの方が、当然、圧倒的に多いわけですが、
これがダメだったから、こっちで行こう。
あぁ、これもダメだから、今度はこうしよう、
などと、あの手この手でコロコロとイメージを変えられる。
結局、何が何だかわからなくなった末に、ぽいっと契約終了、
などという、泣くに泣けない事例もたくさんあります。
スタッフさんたちだって、一所懸命なわけですし、
経験豊富な方もたくさんいるでしょう。
言うなりになるな、などと言う気はさらさらありません。
きちんと耳を傾ける姿勢は必要不可欠です。
でも、結局最後はアーティスト力。アーティストのチカラなんです。
スタッフさん任せで、言うなりになって、
うまく行かなかったからと文句をいうのではダメ。
自分で自分というブランドを、パッケージをどう見せていくか。
すべてのアーティストが取り組まなくてはいけない、
重要な、重要な問題です。
そんな、見せ方の大切さをしっかりと教えてくれる、
素晴らしいデザインの本は今日のA面『伝わるロゴの基本』にて紹介してます。
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