大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

言霊。声霊。

   

忘れられないことばというのがあります。

言った本人は、単なる会話の流れで、何の気なしに言ったことばかもしれない。
その場の雰囲気で思わず口から出た、翌日にはすっかり忘れていることばかもしれない。

でも、言われた本人の胸に深く刻まれて、
そのことばがその人の次の10年、20年を左右してしまう。

ことばの力って本当にすごいものです。

そして、そう思うと、ことばはやっぱり生き物で、
人の口から発せられた瞬間に、命を吹き込まれ、
人々に影響を与えていくものなのだなぁと思うわけです。

だから、ことばを発するときには最新の注意を払わなくてはならない。

人生のあらゆる場面で、あらゆる人に向けて発する自分のことばが、
もしも、彼らの心に残るのなら、
可能な限りポジティブなメッセージとして残って欲しい。

発する人の思いや真心のこもったことばの生命力は、またひとしおです。
そして、もちろん、大切なのは、それを伝えるときの声とパフォーマンス。

“it’s not what you say, it’s how you say it”
と言われるように、
同じことばでも、語り方によって、大きくその影響力に差が出ます。

生命が宿るのはことばだけではない。
発せられた瞬間に、その声にも命が宿る。

もしも一生で、人と話せる時間、歌える時間が決まっているとしたら。

一言、一言。
一声、一声。
心を込めて、一所懸命発していきたいと思うのです。

 - 未分類

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


  関連記事

no image
脱・質問マニア〜自分の頭で考える!〜

「私、どんな歌、歌ったらいいですかね?」 「練習すればもっと声って出るようになる …

no image
本気でぶつかりあう。

一所懸命やっている子には、一所懸命教えたくなる。 めいっぱいがんばっている子は、 …

no image
「やる気」を引き出す3つの方法

まれに、「やる気のない生徒にボイトレをする」という、 謎の事態に遭遇することがあ …

本番に強くなるマジックワード!?

「あんなにリハーサルうまく行ったのに・・・」 「どうして本番になると、いつもボロ …

プロフェッショナルの徹底ピアノ調整!

10月末から1週間ほど休業&家を留守にするということで、 思い切って、ピアノの一 …

no image
集中を阻むのは「準備の悪さ」

集中力を瞬時に発揮するためには、何らかのスイッチが必要です。 記録を競うスポーツ …

no image
1年前の、1年後の自分との距離感。

1年という時間はあきれるほど速く流れて行きます。 その速度は生きた年月に比例して …

no image
「歌う環境」をつくる。

5年ほど前、某レコード会社のディレクターさんに連れられて、 女性R&Bシ …

雑念チェーンをぶった切る!

練習や課題に集中できないとき、どうしていますか? 凡人には雑念がつきものです。 …

no image
先人たちの名演に学ぶ

ボーカリストにとって、いや、ミュージシャンにとって、 最高の教材は先人たちの残し …