大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

声は、一生かけて育てるもの

      2017/10/10

「自分、声が太くなったんちゃう?」

「なんか、倍音増えたなぁ・・・」

先日、京都にライブに行ったとき、
久しぶりにご一緒した2人のギターリスト、
西野やすしさんと、是方博邦さんに、口々に、
そう言っていただき、ワクワク有頂天になりました。

 

自分でも、薄々感づいていたのですが、
どうやら声帯に、いい感じの経年変化が起きている。

まぁ、よく言えば、ヴィンテージ化しているようなのです。

 

実は、若い頃、自分の声があまり好きではありませんでした。
なんかちょっと、鋭角的過ぎて、倍音が少ない。

その鋭角的な感じでお仕事をたくさんさせていただいたので、
文句を言っちゃいけないんですが、
それでも、もっと、倍音のある、太い声になりたいと、
ずぅ〜〜っと思っていたものでした。

 

しかしです。

なんか、いい感じで声帯様や声道周辺がお年を召して、
おそらくは、何かしら、かつてなかった共鳴が生まれたようで。

自分で歌っていても、なんか、
あぁ、こういう声になりたかったんだったな、と思える声。

もちろん、中には、
「なんか、声が汚くなった」「濁った」と感じる人もいるでしょうけど、
私はいたってハッピーです。

 

ここで誤解のないように言えば、
けして、声帯様の状態が悪いわけではなく、むしろ反対。

 

実際に、ここ数年で、地声音域が上に、また1音伸びました。

昨日歌っていてびっくりしたのですが、
下の音域も1音伸びていました。
 

これも、ここ数年、来る日も来る日も、声のことをオタッキーに考え、
毎日、ありとあらゆる声の生徒たちと、発声をし、
ありとあらゆるジャンルの曲を、一緒に歌ってきたからでしょうか。
 
10年前だったら苦手と感じた曲も、
自然にすぅっと歌えるようになりました。

 

 

別に自分の声の自慢をしたいわけではありません。

 

今日、私がお伝えしたいのは、
「声は、一生かけて育てるもの」ということ。
人間のカラダは変化します。
 
どれだけ鍛えていても、
どれだけ節制していても、
 
声だって、やはり変化します。
 
高い声が出なくなる人も、
ざらざらとした音が乗るようになる人も、
全体がどんどん低音になる人も、いるでしょう。
 
声が細くなったと感じる人もいるかもしれません。

 

 

でもね。
忘れないでください。

 

この世の中に、「いい声」も「悪い声」もない。

ただ「声」があるだけ。

そして、どんな声も自分の声。

その「声」を、どうとらえて、どう付き合っていくか、

そこからどんな感情を取り出すか。

すべて自分次第です。
今ある自分の声を愛すること。

それが一番大切なことなんですよね。

10001686 - the portrait of beautiful blondie with microphone on blue background

 - 声のはなし

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