退化か?最適化か?顔筋がなくなる日。
2024/11/05
この秋から、新たに、新人グループの育成を担当しています。
高校生から20代前半の超若手女子たちが、これまた若手のスタッフさんたちと一緒に次々とプライベートレッスンにやってくる日々。
トレーナーをはじめてから、こうした新人育成は幾度となくやらせてもらっているわけですが、
当たり前のことだけど、だんだん「新人」たちとの年齢差は開いておりまして。
文化が違うのは当然のこととして、ここへ来て、どうやら人間としてのカラダの在り方まで違ってきていることを発見し、愕然としております。
まずね、おへその位置が高い。
私のレッスンでは必ず、「おへそどこ?」という質問をするんです。
呼吸で大事な筋肉を意識してもらうためなんですが、そのたびに、「え?そこ?ほんと?それ胃じゃないの?」っていう位置におへそがある。
まぁ、もちろん、選び抜かれた子たちなんで、スタイルがいいのは当たり前なんだけど、それにしても、びっくりする「へそ高」です。
そして、示しあわせたかのように姿勢が悪い。
「姿勢がいい」って、努力して型をつくるようなものではなくって、本来あるべきカタチに骨を置いてあげるってイメージなんですが、この「本来」が、違って来ているのか?
私たちの世代では見たことのない形状でカラダをつかっています。
とどめは顔の筋肉のなさです。
この世代、10代の大半をマスクとともに過ごしている。
だからね、「顔がマスク」。
頬まわりの筋肉がびっくりするくらいない。
口角が上がらない。
なんだか、表情が乏しい。
最近、「涙袋」ってのを顔に描いたり、唇を分厚くするためにヒアルロン酸を注射したりするのが流行っていると聞いて、なんで〜?と思ってたわけですが、なるほど、顔に筋肉がないから、立体的にするためにお絵かきするようなんです。
確かに、椅子の生活が標準になって、畳に座ったり、床に這いつくばったりすることがなくなれば、足は長くなるかもしれないし、PCやスマホにカラダが順応するならば、肩も首も前に出ていた方が作業効率はよいかもしれない。
そもそも、声をつかってコミュニケーション取る時間が圧倒的に減っているわけで、それなら無駄に顔の筋肉なんかない方が、エネルギー効率はいい。
こんな若者を見るたびに「筋肉が退化してる!」と言ってきたわけなんだけど、
もしかして、これは人類の最適化なのかしらん?
長年、講演でもワークショップでも、「私たちのカラダはもう何万年も進化していません」と冒頭で言い放つのが私のスタイルだったんですが、ちょっと見直さなくちゃいけないかもしれません。
明日以降発行予定のメルマガでは声と顔のビューティーアップに鍛えるべき顔筋のお話をしましょう。ご購読はこちらから。もちろん、無料。バックナンバーも読めます。
ご登録いただいた方には、『朝から気持ちい声を出すためのモーニングルーティン10』をプレゼントしています。

関連記事
-
-
1音にこだわる!~Singer’s Tips #6~
歌のトレーニングの基本中の基本であり、 上達のために最も重要なことのひとつは、 …
-
-
「自分の声になんか興味ない」?
ずいぶん前、著者仲間と本の企画について話していたときのことです。 …
-
-
自分の声をディスるな!
「自分の声は、好きですか?」 講演会やセミナー会場で、そう質問して、挙手をお願い …
-
-
頑固な、間違ったプログラムを解除して、「声」を解放する
カラダの構造や、発声のメカニズムを教えて、左脳からアプローチしても、 カラダに触 …
-
-
【保存版】風邪をひかない! or かかったら?/まとめ記事
風邪の季節です。 咳や声がれなどノドの不調を訴える人も増えています。 今日は、 …
-
-
「フォームは乱れるもの」と心得る。~Singer’s Tips #1~
どんな名プレイヤーも、 長期間試合に出続けていると、 急に成績不振になったり、 …
-
-
基礎を忘れるために、基礎を学ぶのだ!
ボイトレが一番チカラを発揮するのは、すべてを忘れて、表現に没頭するとき。 フォー …
-
-
声の変化と向き合う vol.2〜変化を受け入れ、味わい、楽しんだものが勝ち
「声の老化」についての第2回です。 第1回は、年齢を免罪符にせず、 …
-
-
大きい声を出すのをやめる~Singer’s Tips #5~
自分の声が届かない、通らないと思うと、 ついついがんばって、 「大きい声」を出そ …
-
-
「声が届かないって、こんなに自己肯定感を下げるものなんだ」。
何年か前のこと、 風邪をこじらせて、声がカッスカスになってしまいました。 よほど …
- PREV
- ペダル、踏んじゃだめよ。
- NEXT
- 解像度を上げろ!
