大槻水澄(MISUMI)ブログ 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

ねつ造不可能なキャリアを刻む

   

Webの世界をサーフィンしていると、
昨今は、みんな本当にセルフ・ブランディングが上手だなぁと、
感心してしまいます。

 

ファッションやヘアメイクのセンスもいいし、
セルフィも上手なら、写真のチョイスもいい。

HPのデザインもカッコいいし、
日頃の活動や、お洒落なライフスタイルなど、
自己発信もとても上手。

 

自分が発信するメッセージが、
自分という人間の印象を決めるということを、
よく理解している人が実に多いのです。

 

人に信用されたり、
興味を持ってもらったりするためには、
まずは第一印象、イメージが大切だと考えると、
セルフブランディングのセンスを磨くことは、
フリーの人や、自営の人にとって、
非常に大切なポイントであることは間違いありません。

 

さて。

 

 

「こうありたい自分を演出する」
「人にこう見られたい自分を演出する」
というのは、

ありのままの自分という人間の日常の中から、
あるイメージに合った特定の部分を切り取って、発信すること。

 

けして写真を加工しまくったり、
お化粧を塗りたくったりすることではないし、

すかすかの経歴を思いっきり膨らましたり、
できもしないことを、さもできるように宣伝することではない。

昔、とあるダンサーのオーディションに、
「マイケル・ジャクソンのPVに出ていた」
という女性が応募してきたことがあったそうです。

当然、書類選考は、一瞬でパス。
なんといっても、マイケル・ジャクソンのダンサーです。
どんなに素晴らしいダンスを披露してくれることか・・・

 

ところがです。

最終選考に登場した彼女はろくに踊れない。
怪訝に思ったスタッフが
「本当にマイケルのPVに出ていたの?」とインタビューすると、
「もちろん!マイケルと一緒に歩いたのよ」と答えたそうです。

 

これでは、ブランディングを越えた誇大広告です。

もちろん、受け手にも問題はありますが、
ダンサーのオーディションに、
踊れない人が来るなどとは思わないのが普通です。

 

結局、最後はリアルな自分自身の勝負なのです。

見せ方の技術を磨くのも大切ですが、
本当に磨くべきなのは自分自身。

けしてねつ造のできない、自分自身のキャリアです。

 

リアルな現場に出れば、膨らました経歴は、
一瞬でぺしゃんこにしぼんでしまいます。

一声発すれば、作り上げたイメージも、
一瞬にして「素顔の自分」という実像に取って代わります。

 

人は本能で相手の真贋を感じ取るもの。

かっこよさそうなこと、偉そうなことをどれだけ言っていても、
リアルに、「あれ、なんかしょぼい」と思われたらアウトです。

自分という人間はけしてねつ造できないのです。

 

だから、自分という人間のイメージを膨らましたいなら、
とにかく、何がなんでもがむしゃらに、
リアルな世界と関わって、本当の自分自身を膨らますしかない。

 

カッコいい自分を切り取りたいなら、
カッコいい自分にならなくてはダメなんです。

 

声に、ことばに、刻まれるキャリアはねつ造不可能です。

リアルな自分を磨き続けると同時に、
いつも真贋を見極められる感性を、磨いておきたいものです。

6034987 - young handsome men in a hood outdoors

メール・マガジン『声出して行こうっ!me.』不定期ながら発行中。
ご登録はこちらから。

 - The プロフェッショナル, 音楽人キャリア・サバイバル

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

  関連記事

集客ってどうします?

SNSどころかインターネットもなかった時代、 バンドの集客って、一体全体、 みん …

「譜面がなくちゃだめ」と思ってしまう自分にまず疑問を持つ

「ボクは音楽は全然ダメですよ。そもそも譜面が全く読めないんだから」   …

「プロじゃない」から、すごいんだ。

最近、セミナーや講演を通じて、 全国の音楽愛好家の方たちと接する機会が多くなって …

歌は1人で歌うものではなく、チームプレー

「歌は1人で歌うものではなく、チームプレー」 今日、週末に大きなライブをひかえた …

一流の人は「飽きない」。

「一流ってのは、飽きないものなんだ」   友人が、バンドでメジャーデビ …

バンド・メンバーの選び方と、 そのメリットデメリット

友達と意気投合して、生まれて初めて組んだバンドが、 どかんと売れて、人気もバンド …

「プロ」の定義?

先日、友人の皇甫純圭さんが、 『プロとアマチュア』というタイトルのブログを書いて …

ミュージシャンの「ステータス」も数字?

ビジネスの世界で活躍している男性たちを見ていると、 日々、華やかな数字の話ばかり …

人に認めてもらえない3つの理由

趣味で、仕事で、コミュニティで、 認められたいのに、認められない。 自分は認めら …

「いいもの」と「売れるもの」はイコールではない!?

「どんな仕事でも、結局、営業力だ。」 という意味の言葉を聞いたことがあります。 …