大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

起きて見る夢 vs. 寝て見る夢

   

常日頃、道に迷う若者たちに問いかけていること。

「ぜんぶ可能だったら、なにがしたい?」

 

所詮ひとりの人間が認識できる現実なんて、
自分というフィルターを通して、
ちっぽけな脳みそに押し込められた、
ちっちゃなちっちゃな世界。

まるで押し寿司みたいにぎゅっと押し込められた現実の中で、
自分の生き方をみつけよう、
というのは、いささか窮屈すぎませんか?

だからね、
「現実」なんてものは、はなから存在しないと考える。
なんの制限も枠組みも限界もないと考えたら、
自分は一体どんなことをしたいのか?

人生の答えは、そこにしかないと、信じています。

 

 

とはいえ、です。

 

ときどき、自分の胸に手をあてて、
「ほんとか〜?」と、問い直す。

若者たちに、無責任に夢を与えていないか?

実は、世の中には「絶対的な現実」とか、
「変えられない運命」というのが存在していて、
抵抗して、苦しむくらいなら、
身をまかせて、よろしくやった方がいいのではないか・・・?

そんなときに、必ず考えるのが、

「私は今からでもバレリーナになれるのか?」
という途方もないことです。

もしも、私が今、真剣に、深刻に、
バレリーナになりたいと思い詰めたとして、

本当に「現実」という壁は、そこに立ちはだからないのか?
がむしゃらに、必死に、その夢を追いかければ、
私はロパートキナみたいに踊れるようになれるのか・・・?

 

答えは、もちろん、NOです。

なぜなら、そうやって、

1.「自分はできるのか?」が先行して、
2.はじめてもいないくせに、
3.年齢が、身体能力が・・・と、できない理由ばかりを数え上げているから。

 

それは、ただの、「夢」。
寝てみる「夢」。

 

ときどき、この「起きてみる夢」と「寝てみる夢」の、
違いがわからない人に出会います。

 

「無理だと思ったから」「家族に反対されたから」・・・

どんな理由であれ、立ち止まれば、それまでです。

はじめなければ、できないし、
続けなければ、叶いません。
できないと、あきらめた時が、ゲームオーバーです。

そこが、自分の限界なのです。

 

こどもの頃から、ずっとずっと、
バレリーナに憧れています。

でも、私は一度としてバレエ教室の門を叩いたことも、
バレエシューズを履いたこともない。

 

それが、「才能がない」ということです。

これは私の、お墓まで持っていく、「寝てみる夢」。

 

本気でかなえたいなら、
今すぐ、トウシューズを買いに行け。

 

今日のメッセージは、それだけです。

 

「高い声が出したい」という、たくさんの人の夢をかなえたくて、
Youtubeをアップしています。
メソッドすべてを詰め込んだ完全版、ぜひ、活用してください↓
【高い声が誰でも出せる究極メソッド・完全版】

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
コアでマニアックなネタを中心に不定期にお届けしているヴォイトレ・マガジン『声出していこうっ!me.』購読はこちらから。

 

 - Life, 夢を叶える

  関連記事

ボーカリストが20代のうちにやっておきたい10のこと

10代、20代のアーティストたち、学生たちを見ていると、 彼らの脳や肉体の柔軟性 …

発信することは、ライブ・パフォーマンス。

「毎日、すごい勢いでブログをあげてるね」 最近、そんな風にいわれます。 しばらく …

かっこ悪いけど・・・「ギックリ腰」

さて、連日、いい感じでカッコよくLondonの街を闊歩している(かのように見せか …

メイクに目覚める年齢 vs. あきらめる年齢

大学4年の頃、よく遊んでいた同級生の男子に、いきなり、 「っていうかさぁ、コサカ …

この子、「化ける」かもしれません。

歌が本格的にお仕事になる前、 CMや映画などの音楽プロデューサーのアシスタントを …

限りない偶然に選ばれてきた「特別な自分」

一瞬の選択で人生は大きく変わります。   もしもあの時、あの瞬間にラジ …

「なに、夢みたいなこと言ってるの!?」

何年か前。 知人の家に幾人かの人と集い、 他愛もない話をしていたときのこと。 誰 …

パッションから目をそらさない!

「え?MISUMIさん、そこまでやるんですか?」 何度言われてきたかわからないこ …

そして、戦いは続くのだ。

最近、ブログを読んでくださっているというさまざまな方とお話するたびに、 「あぁ、 …

「そこにいること」の大切さを語りすぎることは、たぶんない。

長年、音楽の仕事をしていると、 「そこにいること」の大切さが、しみじみわかります …