1行のことば
2015/12/20
1行。
たった1行のことばが、
人にパワーを与え、
この世で最も幸福な人にする。
あり得ないほど惨めな気持ちにし、
奈落の底に突き落とす。
1行のことばで、
どうしようもない苦しみから救われた人も、
電気的な啓示を受けた人もいるでしょう。
1行のことばで、
夢や希望を奪い取られ、
死にたいくらい、お先真っ暗になった人もいるでしょう。
「そのことばを自分が読んだ(聞いた)」という以外、
この世の中で変わったことはなにひとつないはずなのに、
自分を取り巻く世界の色彩も、サウンドも、肌触りも、
何もかもが一瞬にして変わってしまう。
ことばには、恐ろしいほどのパワーやエネルギーがあります。
多くの場合、
受け手としての自分自身は、そんなことばのパワーにとても敏感で、
ちょっとした単語の選び方や、語尾のニュアンスに、
過剰なほど反応して、心をアップダウンさせてしまう。
しかし、送り手としての自分自身はどうか。
受け手の繊細な心の機微をとらえて、
ひとつひとつのことばを紡げているか。
そもそも、受け手というものをしっかり意識できているか。
そのことばがまとう「真実」というオーラは、
自分自身が発することば自体を裏切っていないか。
美辞麗句の向こう側に、淫らな野心が透けて見えないか。
ことばの語尾に、卑怯な逃げ道を作っていないか。
「思いやり」を装った、虚栄や偽善が見え隠れしていないか。
選ぶ単語の端々に、媚びがちりばめられていないか。
そもそも、そのことばは、今、自分が語るべきことばか。
このとき、この瞬間に、誰かに向かって発されるべきことばなのか。
日記に書けばそれでよかった独白を、無意味に誰かに投げつけているのではないか。
一度、文字になったことば、口から出たことばは、
エネルギーとなり、受け手に影響を与えます。
いかなるときも、それを取り返すことはできません。
ことばを発するからには、そのことばへの責任がある。
そんな覚悟を持って、
迷うことなく、恐れることなく発されたことばこそが、
迷える人を救い、
哀しむ人にエネルギーを与え、
世界を愛で満たして行く。
そんなエネルギーあふれる1行に出会うべく、
今日も本のページをめくります。
そんなエネルギーあふれる1行を送れたらいいなと、
今日もPCを叩いています。
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