「なに、夢みたいなこと言ってるの!?」
何年か前。
知人の家に幾人かの人と集い、
他愛もない話をしていたときのこと。
誰かが、これからのことをぽつりと話しはじめました。
そこで、私もその時描いていた、
「将来の夢」を熱く語ったのです。
すると、その中のひとりが、
あきれたように言いました。
「なんかさぁ、MISUMIちゃんの話を聞いていると、
17〜18才のティーンエイジャーの話を聞いてるみたいだわ。
なに、夢みたいなこと言ってるの!?」
これには、とてもがっかりしました。
夢を描くのはティーンエイジャーの特権なのか?
ある程度以上年を重ねた人間が夢を語ることは、
馬鹿げたこと、恥ずかしいことなのか?
夢を描けないなら、
一体全体、人はなんのために生きるんだ?
当時、まだまだ不安定だった私の想いを、
いきなり踏みつけられたような、
そんな瞬間でした。
年齢を重ねれば、いろいろな制約ができます。
家族もいる。親もいる。
仕事もある。
さまざまな責任もある。
残された時間と、
限りある体力、知力、財力を天秤にかけ、
きちんと人生設計をすることが大切だということくらい、
私だってちゃんとわかっています。
しかしです。
想い描く理想の未来に、
どんな制約が必要なのでしょう?
夢に向かって邁進しようという情熱に、
なぜ、賞味期限が必要なのでしょう?
おとながそうやって、
人生にリミッターをかけて、
半分諦めながら生きているから、
若者たちは、いつまでもおとなになりたがらないのではないのか?
夢はいつか諦めなくちゃいけないものなのだと、
消去法で将来を決めてしまうのではないのか?
現実とかけ離れた理想を描くから「夢」というのです。
夢と現実のギャップにひるんで、立ち止まれば、
夢はただの夢で終わるでしょう。
一方で、現実に目を背け、
夢ばかり語っていても、ただの夢想で終わってしまいます。
夢を現実に近づけるのではなく、
現実を夢に沿わせて変えていく。
そんな勇気を、努力を積み重ねることこそが、
生きている証と感じる人生もあるのです。
あれから何年経ったのか。
現実になった夢もあります。
まだ道半ばの夢もあります。
私は今も、
毎日、夢を描いて、夢を紡いで、生きています。
一生「夢みたいなこと」を言い続けて生きていく予定です。
Keep on dreaming!
バックナンバーも読めます。
関連記事
-
-
ちゃんと仕事しろっ!
NYに住みはじめて、 寮の自分の部屋に電話を引き込むため、 電話会社に出向いたと …
-
-
「で?いくら稼ぎたいの?」
「で?MISUMIさんは、いくら稼ぎたいの?」 不躾に、こんな質問をされたことが …
-
-
時代が変わって、「歌が好き」という人たちの思いは、 どれだけ変わったのだろう。
「困ったことがあったら本屋へ行け。 自分が困っていることは、他の人も同じように困 …
-
-
人生のワームホールに飛び込む
大好きな作家、ロバート・A・ハインラインの小説の中でも、 とびきりワクワク読んだ …
-
-
「どうせ私の声は人に届かない、私の歌なんか聴いてもらえない」(ビデオレターのご感想から)
ビデオレターにて取り組んでいただいている課題から。 今日もDay1の課題「自分の …
-
-
「気になる人」。
これから有名になろうという人、 活躍する人に共通の資質は、 「気になる人」である …
-
-
「やりたい」と「やる気がある」は月とスッポンほど違うんだ。
先日、著名なアーティストの方と、 その方のお子さんが、 「音楽に興味があると言っ …
-
-
生(リアル)な音、ください。
溝が浅くなるまで、繰り返し聞いたレコード。 ぼろっぼろになるまで、使い込んだ歌詞 …
-
-
なんにも終わってないのに、終わった気持ちにならない。
昨日、10数年前まで教えていた学校の卒業生たちのライブを見に行ってきました。 学 …
-
-
「僕、ミュージシャンでやっていけるでしょうか?」
「僕(私)、ミュージシャンでやっていけるでしょうか?」 という質問に、即座に「も …

