大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

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「誰かにまかせるなら100%その人を信頼すること」

   

愛犬の病気と死を通じて、さまざまなことを学びました。

昨年9月、悪性リンパ腫と診断された愛犬デイジー。
治療にあたって、獣医師の弟から「この先生ならば」と、
弟の先輩である、先進医療を扱う病院の先生を紹介されました。

基本、私の考えは、
「誰かにまかせるなら100%その人を信頼すること」。

誰かを信頼するとは、そういうことだと考えているからです。

もちろん、信頼できなくなった時点で、
まかせる人を変える、と言う選択肢も、
この考えの中に入っています。

困っているとき、
悩んでいるとき、
人は疑心暗鬼になります。
不安になります。

これで正しいのか?
この人でいいのか?
もしかして、もっとよい選択肢があるのではないか?

そうした疑問が浮かぶことは人間ならばむしろ当然。

闇雲に、誰かに言われるままに、
なんでもかんでもやればいいということではない。

しかし、です。

情報があふれかえっている世の中。
ちょっとググれば、
ガセや、噂や、与太話や、
誰かの主観、感想、想像であふれかえっています。

そのひとつひとつに、
過剰反応して、迷って、
あの手この手と手法を変えていたのでは、
結局どこにもたどり着けない。

なにひとつ納得できる結果が出せないまま、
右往左往するだけです。

何を信じるか。
何を選ぶか。
誰についていくのか。

それこそが人生における最大のコミットメントであり、
その結果を人は「運命」と呼ぶのではないのか。

 

情報を得ることは、間違いではないと信じます。

自分たちの選択肢を常に広げることは、
どんな状況であれ、絶対的に意味のあることです。

まかせている人に疑問をぶつけるのも、
意見するのもいいでしょう。

ただし、誰かを信じると決めたら、徹底的に信じる。

あの人の言う「ここ」はいいと思うけど、
この人の言う「こっち」の方がいい気もする。
ついでにその人の言う「あそこ」も取り入れたら、
ばっちりなんじゃないかしらン?

・・・などというご都合主義的な考え方、
「いいとこ取り」のように見えて、
結局、スピリットも哲学もない、
場当たり的な行動を取る人に限って、

うまくいかなかったときに、
あの人が悪い、この人が悪いと文句を言うものです。

誰かにまかせるなら100%その人を信頼すること。
その人を信頼すると決めたら、
すべての結果は自分が選んだと腹をくくること。
そうした決断をした自分自身をリスペクトすること。

そうやって決意を固めて行動するとき、
自分たちの思いや、考え、
自分たちが積極的に集める情報以外は、
すべてノイズであると捉える勇気も、時に必要です。

 

この半年足らずの間、さまざまな葛藤や、
迷い、苦しみがありました。

それでも、なんでも、
自分たちの信じると決めたことを、ひたすら信じ続ける。
勇気を持って、前に進み続ける。
絶対に後ろを振り向かない勇気を持つ。

そんな人間の本質的な強さと、
人と人との絆の大切さとを、
最期にデイジーに教えてもらった気がします。

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