おとなになるって、素敵なことだぜ
おとなって、なんて純粋に音楽を追いかけるんだろう・・・
最近そんな風に感じるシーンに、何度も出会います。
忘れたつもりはないけれど、
知らぬ間に薄れつつある、
音楽へのパッションやひたむきさを、
今、社会人ミュージシャンたちが、
改めて私に教えてくれているかのようです。
音楽が胸を叩くような、あの焦燥を、
行き場のないエネルギーを、
暗闇の中を手探りで進むような、
ぞくぞくするような恐ろしさを、
ひとつひとつの血管から、
ほとばしりでるような情熱を、
来る日も、来る日も、
胸をかきむしるような苦しさと戦いながら、
鍵盤を叩き、歌い続けていた、あの頃の痛みを。。。
若かりし頃は、
年を取ったら自分の中の、
何かが死ぬのだと信じていました。
初めて手に入れた足のつま先が地面に触れるだけで、
燃えるような痛みを感じたという、
おとぎ話の人魚さながら、
自分を取り巻くすべてが、
苦しくて、苦しくて仕方ないくせに、
そんなデリケート過ぎる自分の感性が、
年齢や経験と共に失われていくことが怖かった。
「痛み」を失えば、音楽への情熱も薄れていくと、
感じていたのかも知れません。
「年を取ったって、答えなんか見つからない。
だから、私に答えを期待するのは、やめてくれない?」
と歌ったのはジャニスだったか。
どれほど経験を積んでも、
どんな人生を送ってきたとしても、
持って生まれたエネルギーの絶対量は、
たかだか20年、30年余計に生きたくらいで、
そう簡単に自分の肉体を解放してはくれません。
制約がある方がエネルギーが集中するのは、
高校の教室を牢獄のように窮屈に感じていた、あの頃とおなじ。
どんな役割を与えられていても、
どんな責任や義務を背負っていても、
自分自身はいつだって自由で、
なんだってできる。
望むことは何だってやってやる。
絶対の絶対にやり抜いてやる。
そんな想いを、情熱を、
社会人ミュージシャンのみなさんに、
たくさん、たくさんもらっています。
おとなになるって、素敵なことだぜ。
◆ 9月9日(土)【MTL Live 12】MTLの文化祭&感謝祭、開催。
◆ 9月30日(土)【第4期 MTLヴォイス & ヴォーカル レッスン12】開講決定!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
コアでマニアックなネタを中心に不定期にお届けしているヴォイトレ・マガジン『声出していこうっ!me.』購読はこちらから。
関連記事
-
-
夏の価値を高める「8月いっぴっ!」の習慣
こどもの頃から、 月初めの日記には、 今月やったるで!なことを書き並べ、 最後に …
-
-
「君たちには問題意識というものが足りない!」
「君たちには問題意識というものが足りない!」 大学4年の時、ゼミの担当教授が、 …
-
-
自分というエネルギーを全身全霊で表現するのだ。
声はエネルギー。 だから、自分という人間のエネルギーを全身全霊声にして、 聞く人 …
-
-
遠慮すんな!
自分の意見をハッキリ言うせいか、 疑問をすぐに口に出すせいか、 はたまた、やりた …
-
-
「自慢話」してますか?
謙虚な人が好まれるのは、別に日本だけではありません。 欧米でも、 …
-
-
「こちとら何年やってると思ってんのよ!」
「こちとら何年やってると思ってんだっ!?」 誰かに自分の専門分野を誉められた時に …
-
-
Now or never, my friend.(今を生きるのだ、友よ!)
大学生くらいの年頃の子たちと話していると、実によく、 「今しかできないんで」と言 …
-
-
変化は必然。
業界のお仕事が長いせいか、 はたまた海外生活を経験したせいなのか、 変化に対する …
-
-
「フィルター」をぶっ壊せ
ティーンエイジャーの頃、 とにかくテレビに出ている「タレント」や「アイドル」 そ …
-
-
知的に怠惰になった時点でゲームオーバー
PCをつかって仕事をしていると、 日々、知識をアップデートする必要に迫られます。 …