おとなになるって、素敵なことだぜ
おとなって、なんて純粋に音楽を追いかけるんだろう・・・
最近そんな風に感じるシーンに、何度も出会います。
忘れたつもりはないけれど、
知らぬ間に薄れつつある、
音楽へのパッションやひたむきさを、
今、社会人ミュージシャンたちが、
改めて私に教えてくれているかのようです。
音楽が胸を叩くような、あの焦燥を、
行き場のないエネルギーを、
暗闇の中を手探りで進むような、
ぞくぞくするような恐ろしさを、
ひとつひとつの血管から、
ほとばしりでるような情熱を、
来る日も、来る日も、
胸をかきむしるような苦しさと戦いながら、
鍵盤を叩き、歌い続けていた、あの頃の痛みを。。。
若かりし頃は、
年を取ったら自分の中の、
何かが死ぬのだと信じていました。
初めて手に入れた足のつま先が地面に触れるだけで、
燃えるような痛みを感じたという、
おとぎ話の人魚さながら、
自分を取り巻くすべてが、
苦しくて、苦しくて仕方ないくせに、
そんなデリケート過ぎる自分の感性が、
年齢や経験と共に失われていくことが怖かった。
「痛み」を失えば、音楽への情熱も薄れていくと、
感じていたのかも知れません。
「年を取ったって、答えなんか見つからない。
だから、私に答えを期待するのは、やめてくれない?」
と歌ったのはジャニスだったか。
どれほど経験を積んでも、
どんな人生を送ってきたとしても、
持って生まれたエネルギーの絶対量は、
たかだか20年、30年余計に生きたくらいで、
そう簡単に自分の肉体を解放してはくれません。
制約がある方がエネルギーが集中するのは、
高校の教室を牢獄のように窮屈に感じていた、あの頃とおなじ。
どんな役割を与えられていても、
どんな責任や義務を背負っていても、
自分自身はいつだって自由で、
なんだってできる。
望むことは何だってやってやる。
絶対の絶対にやり抜いてやる。
そんな想いを、情熱を、
社会人ミュージシャンのみなさんに、
たくさん、たくさんもらっています。
おとなになるって、素敵なことだぜ。
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