結果を出すことの意味
音楽の仕事をはじめて、徹底的にたたき込まれたのは、
「この業界、努力賞はないから」ということば。
おそらく、どんな業界でも同じだとは思うのですが、
会社や事務所に属しているわけでもない、
フリーのミュージシャンにとっては、
一度の失敗も命取りになりかねません。
「業界狭いからね」というのもよく言われることば。
いい評判も、悪い評判も、
あっという間に駆け巡ります。
そんな空気の中で必死に食らいついてきたこともあり、
私も、アーティストや、卵たちに、
「結果を出すことが一番大切。努力賞なんかないから。」と、
ずっと言い続けて来ました。
結果を出すことの意味は、
しかし、自分の評判をあげる、落とさない、ためだけではありません。
最近、むしろ、それ以外の意味を噛みしめています。
それは、そもそも、その仕事に参加できたということへの感謝です。
人に恵まれ、健康に恵まれ、
やりたい仕事に呼んでもらえるということは、
何年、どれだけ仕事を続けていても、当たり前なんかじゃない。
たくさんの奇跡の積み重ね。特別なこと。
選び抜かれた自分が、当たり前のように、
馴れ合いで仕事をこなしていたのでは、いかにも申し訳ない。
一回一回の仕事が、特別な機会。
だからこそ、全身全霊で感謝を込めて、結果を出さなくてはいけない。
そんな風に思えてならないのです。
この1年の、自分を振り返って、
まだまだ、がんばらなくちゃと思ったりしています。
関連記事
-
-
自分のチェック機構を磨け!
「ちゃんと練習したんですけどね・・・」 ちっとも上達していないことを指摘されて、 …
-
-
「歌う環境」をつくる。
5年ほど前、某レコード会社のディレクターさんに連れられて、 女性R&Bシ …
-
-
上達のキーワードは「イメージ力」
歌は、誰かに教われば上達するというものではありません。 もし、有能なトレーナーに …
-
-
脱・質問マニア〜自分の頭で考える!〜
「私、どんな歌、歌ったらいいですかね?」 「練習すればもっと声って出るようになる …
-
-
変声期後の、いわゆる「音痴」をなおす方法
さて、昨日は変声期とはどういうものかについて書き、 興味深い資料のリンクをご紹介 …
-
-
「知は力」・・・発声の科学を学ぶ意味
歌の上達の一番の早道は、 なんといっても優れた歌い手を徹底的に研究し、真似てみる …
-
-
音楽という「箱」から取り出すもの
ずいぶん昔のことになります。 その奔放かつ、悪魔的とも表されたプレイスタイルに魅 …
-
-
うまく行かないときは、自分自身の棚卸しをする
世の中は結構不公平にできています。 必死に必死にがんばっていても、 なかなか認め …
-
-
トレーニングの最大の難関は「はじめる」
どんなトレーニングでも、続ければ必ず結果が出ます。 それがトレーニングの本質とい …
-
-
ミュージシャンに向いている人って?
「ミュージシャンに向いている人ってどんな人ですか?」 そんな質問を時々受けると、 …
- PREV
- 声の不調症状ランキングno.1 「痰がからむ」
- NEXT
- 「あきらめない」というチカラ